だれでも始められる「クリエイティブな人」になる第一歩

「クリエイティブ(creative)」と言うと、広告業界やIT業界のような特定の業種に携わる人の話であって、自分には関係ないと思う人もいるかもしれませんが、そんなことはないと思います。

むしろ、どんな仕事であれ、クリエイティブであろうと欲する人と、そうではない現状維持型、保身型の人とが同時に存在しているのではないでしょうか?

また、クリエイティブというとすぐ

「発想法」
「思考法」

のようなものを学ぶ必要があると考える人もいるかもしれませんが、はっきり言ってそういうのは後の話であって、しかもどちらかと言えば枝葉末節の話です。

言い方を変えると、クリエイティビティというのは第一に

「姿勢」

のことです。

「方向性」

なのです。

クリエイティブな人とは?

「奇抜な考えを持っている」
「他人とは違う発想がある」
「次々に新しいアイディアがひらめく」

……それもそうなのですが、それだけを取り上げても仕方ないというか、それ以前にその人が

「何を見ているか」

つまり、日常生活や仕事をする中で、どんなことに焦点を当てているか

そっちのほうがよほど重要です。

業界や分野を問わず常に

「進歩を生み出そうとする人」

が一定の割合でいると思います。

私が考えるクリエイティブな人……というのは、たとえばこんな感じの人ですね。

「現状を見て問題点を発見し、自分から率先して対応していく」
「日々接する情報から新たな仮説を立て、それに基づいて現状をより良い方向に変える方策を探す」

これは業種業態には関係ありません。こういうことを考えるのが好きで、しかも得意な人というのが必ずどこの職場にでもいるはずです。

そして同時に、こういう面に苦手意識を持っている人、こういうことに手を出したり、口を出したりするのを過剰に恐れているようなタイプの人もいるでしょう。

まず、前者に属さなければクリエイティブも何もあったもんじゃないでしょう。

だから、あなたがもし、少しでもクリエイティブな仕事がしたい、クリエイティブな人間になりたいと思ったなら、かんたんなことです。

とりあえず、なんでもいいから

「今行っていないことを行う」

それが第一歩です。

現状を疑う

「今行っていないことを行う」

そのためには、前提として

「現状は決して完全ではない」

という認識、考え方が必要ですよね?

現状で満足していると、それ以上何かする必要性はないわけですから。

……といっても、実際には自分を取り巻く現状や、大きく言えば世界情勢? 地球全体?

だれも本当に完全完璧だなんて、だれも思ってないわけです。

ってことは、クリエイティブであるためにはどう考えれば良いのか?

それは言い換えれば、

「問題があるほうに目を向ける」

というクセを付ける必要があるということです。

非常に大ざっぱな言い方で恐縮ですが……たとえば、現状は75%くらいは問題ないというような時、多くの人はその75%のほうを意識して、

「まあまあかな」

とか考えます。でも、クリエイティブな人だったらたぶん、残りの25%のほうに目が行くと思うんです。

あるいは、現状が99%出来上がっていると見える場合、その時には、クリエイティブな人なら残りの1%にこだわって完璧に仕上げようとする……というのは冗談で、クリエイティブな人は、そもそも

「物事の99%ができ上がっているなんて、考えもしない」

はずです。

「99%完全」……そう見えるのは、そこしか見ていないからです。

だったら、別のことに、別の面に目を向ける必要があります。

たとえば、そういう意識付けを行うことです。

みんながヒマな時、いっしょにヒマにならない

たとえば、いつもより早く業務が進んだり、客数が少なかったりして

「今日はヒマだなあ」

……と感じる時、多くの人は取りとめのないおしゃべりや、それに気が引けるなら漫然といつもの業務を繰り返したり引き伸ばしたりして時間を潰します。

でも、そういうタイミングでするべき「何か」を常に用意している人もいます。

不意に時間ができたときに、待ってましたとばかり、いつもしていなかったことを始めるのです。

不意にヒマになったときに、やることを用意しておきましょう。

その次の段階として、偶発的にヒマな時間ができるのではなくて、むしろ積極的に自分の既存の業務をコントロールして、わざと「ヒマな時間」を作ることを考えます。

時間があいたから……じゃなくて、自力で時間を作り出すわけですね。

「現状維持は衰退」

とよく言われますよね。

維持というとそれでも良い感じがしますが、それは自分だけの尺度であって、全体で見たら、常により良い仕事を提供するために日々成長、向上しようと努力している人たちが存在するその中で見たら、維持していることは衰退しているのと同じだという意味です。

前の話戻りますが、ふだんからこういう気持ちで仕事をしていると、さらにはっきり

「現状は、完全でもなければ、まあまあでもないし、大丈夫ではない」

ということが見えてくると思います。

言い換えると、世の中のほとんどのことは、改善の余地だらけ、新しい発想の材料だらけなんだというふうに見えてきます。

仕事=作業の実行+課題の解決

別に仕事という範囲に限定しなくても良いのですが、仮に今やっている仕事の中でクリエイティビティを獲得しようと考えて、上でいったような姿勢で仕事をしようとすれば、次第に

① 作業の実行

というのは「仕事」というもののごく一部分にすぎず、むしろ仕事の大部分は

② 課題の解決

のことなのだという感覚になると思います。

クリエイティブというのは、日常的な意味で言い換えれば

「課題の発見と解決」

のことです。

そして、それこそ仕事の本質でもあり、同時に本来、それこそ仕事のほとんどです。

まずここまで行きましょう。

おそらく、まず姿勢と認識がこんな感じで醸成されたら、そこではじめて

「発想法」
「思考法」

といったものが必要になってくると思います。逆に言うと、そうでなければ発想法や思考法なんて無用の長物です。