願望実現法と潜在意識のそもそも論

かつては私自身も、目標達成法とか願望実現法などの本を読んでは、そこに書いてあることを中途半端に実践してみる……ということを何回も繰り返してきました。

特に、多くのものは要するに「潜在意識の活用術」のようなもので、私も確かに潜在意識というものに働きかけることでさまざまな効果がありそうだという印象は持ちました。

しかし、残念ながら……結局は潜在意識によって何か願いが叶ったとか、実現したと自覚できたということは一度も記憶にありません。

それどころか、実はいろんな潜在意識活用法の本などがありますが、そこで得た知識を一定期間ちゃんとその通りに実行できたことすらありません。

正直言って、すべて途中で放り出してきました(笑)

ですから、他の人に言わせれば

「それはお前のやり方が悪いからだ」
「それでは実現するはずがないだろう」

と指摘されれば確かにその通りです……というしかありません。

実現する以前に自分の願望を自覚するのが難しい

ただですね……。

私なりに、

「なぜ潜在意識というものがこんなに思い通りに働かないものなのか」

を振り返って考えてみれば、少なくともこれは確かだなと言えることは、実際に達成するか、実現するかはいったん置いて……まず少なくとも、そのような方法を試みていた時の私自身が

「そもそも実現したいと言っている願望そのものがあいまい」

だったということです。

ただし、ここで言ってるのは

「人生の目的」
「生きる意味」
「自己実現とは何か」
「真に成功と呼ぶべき成功とは?」

……といったような大きな問題のことを言ってるのではありません。

確かにそういうテーマになると、はっきり断言できる人はかなり少なくて当たり前です。

今言っているのはそういうことではなくて、もっと現実の具体的な、もっと言えばかなり卑近な「願望」についてです。

自分で願望実現法があったらいいなあ……と思っているのに、それによって自分が

「ではどんな願望を実現したいのか?」

をはっきり答えられないのです。

これでは、いかに再現性の高い願望実現法を用いたところで、できるわけがありません。

当たり前と思いますか?

でも、自分の願望……とあらためて深く考えようとすると、たいてい矛盾するものが同時に現れたり、疑念や葛藤が生じる場合が少なくありません。

実は自分の願望をはっきり言葉で表すということ自体が意外に難しいことで、多くの人はそのままの状態で目標達成法とか願望実現法を実行しようとしてしまうから、そもそも論としてうまく行くはずがないのです。

自分の願望は意外に分からないもの

成功法則、成功哲学とか、あるいは宗教関連の、あるいはスピリチャル関連の話を聞いていると、人によっては

「そもそも自分の願望って?」
「本当の願望は別のところにあるのでは?」
「本当は自分の好きなことはぜんぜん違うことなのでは?」
「やりたいと思っていたけど、考えているうちにやりたくなくなってきた……」

というふうに余計に迷いが増えてしまうことがあります。

達成どころじゃなくて、そもそも何を達成したかったのか分からなくなってしまうのです。

これは私自身も経験がありますし、決して珍しいことではないと思います。

先に書いときますが、私はたとえば

「引き寄せの法則」

などに代表されるようなスピリチャル色の強い願望実現法といったものを今はあまり重視していません。

しかし、仮にとても効果があって再現性も高い願望実現法が実際に存在するとして……でも、そもそも自分の願望自体がよく分からないと使いようがないですよね?

別にその手の話にあまり興味がない人でも、

「自分が何をしたいのか分からなくなった」
「何を目指して頑張ってきたのか分からなくなってきた」

とか

「自分自身が分からない」
「やりたい、と思えることがない」

というような悩みを持っている人は実はけっこういるようです。

実はこれはかなり一般的な、ふつうの悩みです。

それで、一般的にいわゆる成功法則の本などでは多くの場合、まず自分の目標を明確に定めることを推奨するわけです。

ただし、実は自分でもよく分からないのに、そう言われるままに

「じゃ、これが目標ってことで!」

……というような決め方で夢や目標を掲げたところで、それはおそらく実現しません。

というか、結局、その目標が本当に自分が求めているものかどうかという前提的な部分で疑念が湧いてしまったりします。

いずれにしろ、このような経緯をたどることがひんぱんに起こりますので……私は、端的に言って願望実現法よりも、多くの人にとってはとりあえず

「願望整理法」

のほうが先に必要なのではないかと思っているわけです。

ふつうは、潜在意識より顕在意識が先でしょ?

よく自己啓発書などに、願望を

「潜在意識」

を使って実現するという方法があります。

その効果や、それについての是非はここでは書きませんが。

その前に少なくとも願望を自分が意識して、それを実現しようというのだから、どう考えても潜在意識より先に顕在意識でそれをはっきり把握するほうが必要ではないか……と言いたいわけです。

自分の願望はふつう顕在意識のほうにある

もちろん、そもそも自己啓発という分野は必ずしも「成功」とか「願望実現」という分野のみを扱っているわけではありません。

あなたが自己啓発などの情報に触れるそもそもの目的が「自己変革」や「性格改善」といったものなのであれば、その場合にはこの意味での違和感はありません。

しかし、自分がそれらの情報を利用する目的がもし

「成功」「目標達成」「願望実現」

といった点にあるとすればですが……その場合、たとえば自分が今実現したい願望が具体的に何個くらいあって、それぞれがどのような内容なのかを、

「顕在意識で」

把握している必要があります。

だって、人がふつう願望を実現したいというとき、それは当然のことですがふつうは顕在意識で把握している「願望」がなければ、実現したいという気持ちも顕在化するはずがないからです。

潜在意識を活用する、あるいは潜在意識が秘めているパワーを現実化させる……のは別に良いのですが、そもそも初めにある「願望」を実現したいのであれば、その願望自体は初めから顕在化していなければおかしな話ではないでしょうか?

しばしば自己啓発とかスピリチャル系の論理に違和感を持つ場合があるのはこのためです。

もし、先に願望実現とか目標達成といった明確な目的があるならば、です。

その願望とか目的のようなものを潜在意識から引っ張り出そうという話は本来逆です。

このあたりが時に混同されたり、時に同時進行のようにして語られるところがややこしく感じる原因の一つではないでしょうか?