思考における階層構造の使い方

階層構造をイメージして思考を整理すると、曖昧で抽象的な概念を自分なりにうまく理解しやすくなります。

ここでは、階層的な思考についてイメージを深めてもらえるように、先に包含関係について書きますが、でも、言葉として「階層構造」とか「包含関係」とか聞くと、人によっては余計に煩わしいものに思えるかもしれません。

もし、

「そんな複雑なことしないで、もっと単純に考えればいいじゃん」

というふうに感じるとしたら、それでもいいです。

自分なりの整理方法を

しばしば言われますが、

「考え過ぎるのは良くない」

というのは、一面では真実を突いています。

というか、おそらくそのようにズバッと問題を認識してすぐ行動できるようなタイプの人だったら、むしろ物事は単純化して考えたほうが有利な場合もあります。

そして、実はおそらく、そのような人の場合は、ふつうに一般的な

「成功法則」

の知識を得て、ふつうの使い方で実践していけば、それで成功できる可能性がむしろ高いです。

ただし、私を含めて、一般に言われるような成功法則の使い方では

「自分は成功できそうもない」

と薄々感じているようなタイプの人もいるでしょう。

その場合には、何にせよ自分なりの思考の整理方法を編み出す必要があります

包含関係とは

包含関係とは、ある分類が他の分類の一部、場合によっては全体を含んでしまうような関係のことです。

数学の集合の授業を覚えている人も多いでしょう。部分集合とか補集合などといった用語を暗記したことを思い出しますね。

包含関係は、論理上の

「AかつBである」
「AまたはBである」

というような分岐の表現と整合性があります。

たとえば日本人は全員「成年または未成年」です。成年かつ未成年であるということはあり得ません。そしてここで、

「私は日本人かつ成年である」

というのと、

「私は集合(日本人)と集合(成年)とに、同時に含まれる」

というのと、これは同じことを指しています。

これはもちろん事実上当たり前なので特に混乱をきたすことはありません。

けれども、物事はいつも授業で取り上げられる例のように容易に理解できるわけではありません。

むしろ、現実に起こる問題というのは一見して関係が分かりにくいからこそ関係について考える必要があるんですよね?

で、その分かりにくさというのは主に

  • 相互の関係性が複雑である
  • 条件の数が多い
  • その土台となる全体をどこに置くかが不明確

といった原因によります。

たとえば、さっきの例では

「すべての日本人のうち」

というのが全体を規定していますが、そもそもどうして日本人だけを取り上げるのか? といった問題を含めて考え始めると、とたんに難しい問題になってしまいます。

実際に思考の対象になる物事というのは、その定義とか含まれる要素からして必ずしも明確ではない場合があります。

抽象的な概念となるともっと曖昧であやふやです。

で、こういう一見あやふやな事柄について、あえて明確に考えようとするときには、包含関係を思い浮かべてみると整理がつきやすいのです。

つまり、

「今自分はいったい何の話をしているのか」
「何について考えようとしているのか」

といったことをはっきり自覚できるわけです。

そして、この包含関係を用いた思考の方法と、一方で「階層構造」を念頭に置いた思考の仕方とは、ある意味共通するところもあります。

たとえば、包含図というのはふつうの意味ではツリー図として表すこともできますし、階層構造を表すのにも一般的にはツリー図が使われたりします。

ざっくり言えば、先ほど言った「分岐の概念」と「包含関係」と「階層構造」とは、通常は大体同じ使い方をされます。