燃え尽き症候群、空の巣症候群に対処する「啓発」

「燃え尽き症候群」

今まで仕事などに打ち込んできた人が、慢性的なストレスなどによりやる気を失い、深刻な無気力、無関心などに陥ること。社会生活に支障をきたす場合もある。

「空の巣症候群」

ひな鳥が旅立って巣が空になるように、子供が成長、自立して手を離れることによって親が孤独感や喪失感から情緒不安定や抑うつ的な症状を起こすこと。

忍336



主な原因は役割の喪失

これらは中年期に起こり得る症状の典型的な例ですが、原因として共通しているのは

「目的や役割の喪失感」

です。

会社のため、家族のため、子供のため……など、自分に与えられていた役割を果たすことに没頭していた人にとって、中年期を迎えてその目的が消失してしまうということは想像以上に大きな心理的、精神的影響を与えるでしょう。

ということは、言葉で言うほどかんたんなことではないとは思いますが、頭で考えればやはり

「何らか次の目標なり、役割なりを見つけること」

が最も有効な解決策ということになります。

となると、そうです……このタイミングこそ、まさに「啓発」が必要なタイミングだということですよね。

前に書いたように、人生全体を仮に

↓ 基礎的リテラシーの獲得
↓ 仕事と生活の成立
↓ 伴侶を探す、家庭を作る
↓ 経済的な安定、あるいは成功
↓ アイデンティティの確立、円熟
↓ 可能性の追求
幸福の追求、実現

というフェーズの推移として見た場合、ごくふつうの場合であれば中年期には

↓ 伴侶を探す、家庭を作る

あるいは、

↓ 経済的な安定、あるいは成功

といったフェーズに当たることが多いかもしれません。

もちろん人によって異なるということになりますが、たとえば

「自分は本来もうこのフェーズにいるべきなのに、まだそこまで進めていなかった」

と感じるならば、それを満たすには何をしたらよいかというふうに考えて、それに集中的に取り組むことができます。

あるいは、

「ああ、自分はもうそろそろ、次のフェーズに進むべきタイミングなんだな」

と感じたとすれば、そのために必要な情報を探したり、すでにそのフェーズに進んでいると思われる人の話を聞いたりするのが有効だと気が付いたりします。

このようにすることは、それこそ本来の意味での自己啓発と表現してもよいでしょう。

ミッドライフ・クライシス(中年の危機)を迎える時期というのは、ある面で言えばまさに自己啓発するのに適した時期とも言えるのです。

本来の自己啓発を目指す

一方で、ミッドライフ・クライシス(中年の危機)に当たる時期は心理的に不安定になっている場合があり、さまざまなストレス要因や大きな問題を抱えていることも事実です。

それこそ、

「夫がおかしなセミナーにはまり出した」

とか、

「妻が最近わけの分からない集会に熱心に通い始めた」

といったようなことが発生するタイミングと言えるかもしれません。

特に中年期に限ったことではないにしろ、精神的に大きなストレスを抱えているときや、自分の価値観や感情が揺らいでいる状態のときには、ついそういったものにすがると言うか、何かに頼ろうとしてしまう傾向があるというのは想像にかたくありません。

あるいは、単に新聞の広告欄やネットのランキングなどで見た、売れている自己啓発本なんかを気まぐれに買ってみてもですね……それが今のあなたにとって本当に有益なものかどうかは、分かりません。

前にも書きましたが、「自己啓発」という言葉の一般的なイメージに引き摺られていると本来すべき、自己を「啓発する」というのは実際には何を指すのかという点に思いが至らなくなりがちです。

「啓発ってどういうことなの?」

……ということをしっかり見定めてほしいと思います。

そして、自己啓発が実際にあなたの役に立つもので、もちろん良い結果に結びつくことを私は心から願います。

燃え尽き症候群、空の巣症候群、その他ミッドライフ・クライシス(中年の危機)に含まれるような様々な問題は、このフェーズの推移に即して考えれば、

「自分は今どのフェーズにいるのか」
「では、次に何を主眼に置いたら良いか」

ということを前提に。自分に起こるべき「啓発」のあり方を正しく認識する視点があれば、ずいぶん違った受け止め方ができると思うのです。

忍336



忍336