パレートの法則に関する空想的計算

パレートの法則はイタリアのヴィルフレド・パレートという人が提案した法則です。最も一般的な説明としては

「全体のごく一部の要素(人とか商品とか)が、大部分の効果(仕事量とか売上とか利益とか)を出す」

という意味になります。

今では非常に広い分野に適用される考え方になっており「80:20の法則」と言ったりしますが、人によって「1:9」だったり「2:6:2」だったり「1:7:2」だったり……比率も説明の仕方によって変わります……けれども数字自体はそんなに厳密に考えなくて、ふつうの人はだいたいのイメージでとらえているでしょう。

ただ、漠然とでも、組織やチームで仕事などをする場合にはこのような法則が働く……という認識を自然に持っている方が多いと思います。

成功法則的な表現

これとは一見異なりますが、本のタイトルなどで時々、こういうものがありますよね。

【上位1%の成功者が独占する願望達成法】
【上位1%のスーパーエリートが実践する27の法則】
【必ず食える1%の人になる方法】
【トップ1%に上り詰める人の頭の中身……】

このような表現も、もちろん文字通り科学的、統計的に実証された正確な「1%」ではなく、まあ、だいたい100人いたらそのうちの1人くらいかな? という、ざっくりしたイメージと理解する人が多いでしょう。

……って、別に揚げ足を取りたいわけじゃありません念のため。

このような言い方をされると、もしかすると人によっては

「おう、これはまだみんなが知らない特別な情報なんだ」

というふうに興味が湧くのかもしれません。

しかし、私などはどちらかと言うとむしろ

「1%ってことは、確率的にほとんど無理ってことじゃん。ダメに決まってるじゃん」

というふうに感じてしまいます……。

この感じ方が問題じゃないかと思ったわけです。

100人に1人って、実際にはどれくらい難しい?

それで、私はちょっと考えてみたことがあります。実際のところ、たとえば100人に1人というレベルになるのは、どれくらい難しいことなのかと。

たとえば、私が過ごした時代、学校の標準的な1クラスというのは、だいたい40人弱くらいでした。(今はもっと少ないかな?)

とすると、たとえばクラスで一番になったとしても、100人に1人とは言えないのか。

かと言って、私のころは小学校~高校まで、たぶん1学年が200人前後だったように記憶していますので、その前提だと、1%というのは学年1位というほど難しいレベルではないなと。

するとイメージとしては、学年で3番目くらいに入るということが、だいたい100人に1人というところなのかなと。

ほうほう、それくらいのことかと。

あるいは、こう考えたこともあります。

漫画の「賭博黙示録カイジ」が人気なので、知ってる人は知ってるかもしれませんが、チンチロリン、というサイコロを3つ使った遊び(?)がありますよね。ちょうどあの場合のように3つのサイコロを同時に振った場合、ピンゾロ(3つのサイコロの目がすべて1になること)が出現する確率は、6分の1×3=216分の1です。

これは、パーセンテージで言えばなんと0.46%です(イカサマサイを使わなければ)。

「0.46%」ですよ?

これってイメージ的にはほとんど不可能なことって感じしませんか?

でもですよ……実際にこのチンチロリンをやったことがある人ならきっと体感していると思いますが、現実にはピンゾロというのは想像よりずっとひんぱんに出るんですよ

特に、え~どうしてここで出るの~? と叫びたくなるようなタイミングで!

まあ、これが「マーフィーの法則」というものなんですけどね……。

「1%=無理、」ではない

上位1%とか、100人に1人といった表現は、決して

「絶対無理!」

という意味ではないということです。

むしろ、多くの人が想像しているよりは、けっこう確率高いじゃん。可能性あるじゃん! って思ったほうがいいのではないかということです。

とは言え、逆に言ってそんなにかんたんなことでもないわけですよね?

ただ、成功するにしろ何にしろ、ある意味ではこの「1%」に照準を合わせて意識を持っていくというのは、人によっては分かりやすいイメージとして有効かもしれません。

まず10人に1人を目指そう

私が提唱したいのは、とりあえずは

「One tenth」

つまり、まずは10人に1人になればいいんじゃない? ということです。

どんなことを目指すにしても、まず10人に1人くらいのレベルになろうと。

そこから始めるのがちょうどいいのかなって思います。これだと、比較的リアルにイメージできるレベルですし……気が楽だしね。

まあ何を目指すかにもよりますけど、それくらいなら、その方法ってけっこう具体的に思い浮かぶものです。たとえば、イメージの付かない目標値を掲げて自己啓発的な情報に触れるよりは、この構えのほうが有効な場合が多いです。

最初の話に戻りますが、10人に1人というレベルは、パレートの法則で言うところの上位20%といっているのと、ほぼ同じイメージでとらえることができるのです。実際にはパレートの法則は、10人の参加者がいる場合、上位の1~2人に属すると言っているのと同じことになりますから。

現状維持せず、次のステージをイメージする

たとえば、あなたがとりあえず10人に1人のレベルになったとします。その次に、たとえば各地、各所から、あなたと同じようにとりあえず10人に1人と言われる人たちがどこか一か所に集められるとするじゃないですか。

それで、仮にその集められた人たちが、あなたも含めて10人だったとするじゃないですか。

もし、その中で10人に1人になることができるなら……あなたはすでに100人に1人の人なんですよね。上位1%なんですよ、すでにあなたは。

だから、まず今現実にある状況の中で10分の1、あるいは上位20%に入ることをイメージして行動することがまず大切で、その上で、今度はいつまでもそのことにこだわるのではなくて、じゃあ次の段階、つまり現状の上位集団だけを対象にした場合に、今度はその中で10分の1、あるいは上位20%に入るには?

……と考えると、今までのイメージや方法論だけでは辿り着かないということは容易に想像できます。

このように、2段階で発想すると、少なくとも「上位1%」というものが自分にとって現実味を帯びてきます。

数字の遊び、言葉の遊びと言えばそれまでのことかもしれませんが……これって割と現実的にイメージできそうな気がします。そしてこれは、最初から「1%の人だけがやっている〇〇」とか「99%の人が知らない〇〇」という考え方では発想しにくい部分です。