成功したいなら「成功法則」本だけを読むべき

たとえば、私は今ただ成功したいと思っているだけだとします。

「成功する方法」

が知りたいので、本屋さんで役に立ちそうな自己啓発本でも買って読もうと思っています。

しかし、いろいろな本を見ていると……世の中にある多くの自己啓発的な情報は、形としての成功よりも内面的な成長を目指すほうが価値が高いというようなことが書いてあったり、あるいは、まず本人の考え方や精神的な力を高めなければ成功にはたどり着けないというようなことが強調されていたりします。

でも、少なくとも私自身は、自分が成功したかったから自己啓発的なものに関心を持ったのであって、そもそもは別に自己啓発したかったわけではないです。

でも、そう言われればそんな気もします。

また、成功したいという気持ちはそれはそれで強いとしても、私だって、それとは別に、ごくふつうの感覚としてたとえば

「世界の真理を知りたい」
「真実とは何なのかを理解したい」

という気持ちもあるし

「世の中や社会、人間といったものの本質を突き止めたい」
「自分の成長につながる知識を得たい」

というような気持ちも同時にあります。

自己啓発とはたいてい、実際にはそのような欲求や衝動も含んで、いろんな要素を結び付けながら自分の内面に落としてゆく……というような、ある意味で非常に統合的な活動です。

で、もちろんそれはある面では事実なのですが、あるいは言い方の問題とも言えるのですが……このような情報に触れると自分の持っていた目的意識が間違っているのではないかという感覚、つまり葛藤や不安が生まれてしまう可能性があります。

最初は単に

「成功したーい」

とか思っていただけの人も、

「まず自分自身が成長しなければ……成功などできるはずがないんだ」

というふうに、まさに啓発されてしまうんですね。

または、情報の種類によっては

「成功など関係ない、自己成長こそ人生の目的なんだから」

とか……え? まだ成功していないのに?

「お金は本質じゃない、心の安定と調和こそ真の成功なのだ」

とか……え? お金持ちになりたいんじゃなかったの?

こういう変化というのは、ある面ではまさに「自己啓発」というものの意義であり本領発揮といった感もありますが……その人の状況によってはまったくのミスリードである可能性もあります。

もちろん、これは主には情報の受け手側の問題なのですが、このような誘導は自己啓発ではつきものなのです。

目的がはっきりしている場合

ですから、もし自分の目的意識が明確に固定している場合には、むしろ基本的に今自分がいる段階というのを想定して、その段階において直接的に必要なノウハウを得ることに集中する必要があります。

逆に言って、今特に必要のないノウハウをあらためて吟味したりする必要も原則ありません。というか、それは今やっていることに区切りが付いた後にするべきです。

目的がはっきりしている場合、今いる段階に直接必要なノウハウを集中的に探し、それを身に付け、利用することを優先するのです。

その意味では、今すべきことは厳密な意味での

「啓発」

ではなく、むしろ単なる

「ノウハウ取り」

のほうなのです。

一般的には、ノウハウやテクニックばかり求める人を揶揄することも多いですが……それは時と場合によります。考えてみれば当然ですが、今やろうとしている具体的な事柄がはっきりしている場合、それに直接関連するノウハウやテクニックが必須であることは自明のことです。

……心配しなくても、マズローの欲求段階説にもあるように、あなたがその段階にいる必要性がなくなれば、たいていの場合、次の段階への推移はむしろ勝手に起こります

理想的に言えば、そのタイミングで自己啓発本を漁ればちょうど良いのであって、むやみに自分のステージや、内面的なレベルのシフトを焦るのは、今自覚している目的に限っても逆効果ですし……じつは、自分が想定している将来性や推移をスムーズに進んでいくことを俯瞰してみた場合にもやはり逆効果なのです。

具体的な目的意識がない場合

あるタイプの人は、具体的に特定の分野とか、行為や過程がイメージできていなくて、ただ何となく感情として、あいまいな欲求のような形で

「成功したい」

というイメージを持って自己啓発的な情報に触れ始めることになります。

ですが、すでに書いたように自己啓発というのは非常に幅広い分野に広がっているので、情報を漁っているうちにだんだん当初のテーマがずれてきます。

注意してください

このようなアプローチだと、往々にしてむしろ成功することが難しくなります。

本当を言えば、とにかくも何か「具体的な行為(特定の目標設定でなくても良い)」を始めるほうがベストなのですが、そういうものは焦って理念や思考だけで決めようとすると往々にして誤った選択をしがちなものでもあります。

ある意味、目標設定というのは成功にとって「両刃の剣」のようなところがあるのです。

ですから、もしそれがすぐに思い付かないというのであれば、むしろ無理にやらないほうがいいと私は考えます。

それよりも、その場合には、どうせ自己啓発本を読むなら、いわゆる

「成功法則」

と呼ばれる分野のものだけに特化して読むことをおすすめします。

それも、最近刊行される、たとえば

「〇〇する人が成功する」

というように論旨が絞られている感じのものより先に、いわゆる古典あるいは王道と言えるようなもの、言い換えると、

「成功という現象そのものを直接に扱っている本」

から先に読んだほうがいいと思います。