「本当に自分がしたいことがわからない」のは当然です

「本当にやりたいことを仕事にしたい」
「自分が本当に好きなことを見つけたい」

このような希望を抱く人がいると思います。

でも、

「そもそも本当に自分がしたいことが何なのか、わからない」
「特にこれ、と自分のしたいことが思い浮かばない」

と悩んでいる方もいるかもしれません。

思案する人

自分の将来を現実的に考える思春期から青年期にかけては、もちろんだれでもそのようなことを思うでしょう。

私自身は、学生の頃はそんなことすらあんまり考えずに毎日のほほ~んと過ごしていた記憶しかありません(笑)

そして、むしろ私の場合には、もう社会に出てずいぶん経ってから、

「自分が本当にやりたいことは何だったんだろう?」
「これが本当にやりたかったことなんだろうか?」

などと妙に考えた時期がありました(遅いの!)

……とはいえ、実はすでに社会人として活躍している大人の方でも、けっこう多いような気がします。

実際に就職して勤務経験を積んでいくと、ある時期に

「他にもっと、自分にとってやりがいのある仕事はないのだろうか?」

というふうに疑問が湧き起こってくことがあります。

これはむしろふつうのことで、おそらく、一度も感じたことがないという人はほとんどいないでしょう。

「したいことが分からない」と悩む必要はない

夢や希望を持っているというのは素敵なことです。それに向かって一途に努力している姿は輝いていますし、周りの人たちにも勇気や元気を与えてくれますよね?

一方で、そういう自分が決めたはっきりした夢や願望がない、特に、自分が何を求めているのか自分自身でもはっきりしない……ということを必要以上に良くないことと考えて、妙に悩んでいたりする人もいると思います。でも私は、それが悪いこととはぜんぜん思いません。

まず、悩む必要はありません。

なぜなら、実のところを言うと……。

そもそも、

「自分が本当にやりたいことなど存在しないから」

です。

やりたいことの見つけ方

人間は、自分が本当にやりたいことを見つけようと考え始めるとたいてい自分が生きて来た過去を振り返ることになります。

これは、ある程度の年齢を重ねた人の場合には顕著ですが、まだほとんど将来が未知である思春期の人でも基本的には同じことです。

「将来何かやりたいことを見つけよう」

と漠然と思いを馳せているような場合なら別ですが、

「自分が本当にやりたいこと」

……となると、過去を振り返るしか探しようがないからです。

それで、多くの場合、人は

「自分がもっと若かった時に関心があったこと」
「子供のころに熱中した記憶があること」
「幼少期に親などに言われてうれしかったこと」

などを思い出して、きっとその中に本当にやりたかったことがあるはずだと「仮定」するのです。

しかし……結局、もしこの考えを突き詰めていくと最後はどうなるかというと、もし

「自分が」
「本当に」

って特定しようとすると、どんどんもっと過去、もっと過去って戻っていくしかありません。

するとそれは結局は、そのような方法では本当のことを探すなどというのは不可能だという結論に至らざるを得ないのです。

だって、遡れば遡るほど「自分」というもの自体が消えてゆくことになるのですから。

たとえば、学童期に本当にやりたかったこと(もしあったと仮定すれば)って、たぶん親や先生に教えられたことか、テレビや本、まんがなどで見た内容とか、友達の間で流行っていたこととか……それらの影響がきわめて強いですよね?

それ本当に「自分が」やりたかったことですか?

その頃にはまだ

「自分そのもの」

が、自我も認識力も理解力も事実上の判断力も責任能力もほとんどなかったですよね?

また過去に遡るほど自分が得ていた情報量も少なかったですよね?

その限られた情報の中に、たまたま本当に自分がやりたいことに結びつく情報が含まれていた確率は?

むしろ過去に行くほどどんどん低くなっていきますよね?

仮に、記憶を辿ってその頃にやりたかったことを今思い出せたとします。

でも、それが自分が本当にやりたいことである確率は……実はかなり低いと思いませんか?

むしろ、年齢を遡れば遡るほど、むしろ自分というものの自立性は失われ、限られた環境や情報だけに依存して生きていたわけですよね。

遡れば遡るほどむしろ、

「え? やりたいこと? 自分って何? 本当って何?」

……ってことになってしまうわけです。

ですから

「自分が本当にやりたいことなんて、そもそも存在しない!」

と言わざるを得ないのです。

その代わり、別に悩まなくてもすぐ見つかるものがあります。

それは……。

今やりたいこと=本当にやりたいこと

ある意味、当たり前ですが……。

「今自分がやりたいこと」

です。

あえて言うとすれば、あり得るのは「自分が本当にやりたいこと」とは、今やりたいことだけなのです。

これは理屈で考えてもそうだし、確率的に言っても最も合致する可能性が高いわけです。

だって、過去の自分よりは、今の自分のほうが限りなく

「本当の自分」

に近いはずですから。