自己実現の意味とは何か? 目標達成とは違うのか?

ただ漠然と、

「なんでもいいから金持ちになりたいなあ」
「とにかく幸せになりたいなあ」
「自由になりたいなあ」

とか思っている人……たぶん大勢いますよね?

私も、そっちのタイプなのでした(笑)

でも、じゃあお金持ちになったら……自己実現したってこと?

自由で幸せだと思えたら、自己実現してる?

と考えると、な~んか違うような気もします。

……って、そんなことより、とにかく早く目標を決めないと……。

もちろん私もね、以前はこう思っていました。

「まず大きな夢を描いて……そのイメージに臨場感を持たせて……それにふさわしい自分になって……結果が出るまであきらめずに行動する!」

でも今は、その考え方はやめました。

だって楽しくないですから。

余計やる気なくなるから。

自然な自分でいられなくなるから。

(だれに向かって言ってるんだ……?)

端的に言って、今の私にとって成功というのは、想定通りの状態になること、ではなくて、まさに

「結果的に自分は成功したと思える状態になること」

なのです。

本来、そのことのほうが「自己実現」という言葉のそもそもの意味に近い気がするのです。

自己実現と目標達成

仮に、

「目標達成」

という言葉を見ると、当然に先に目標が想定されないとおかしいですよね?

だって目標が決まっていなければ、達成したかどうかも分からないですから。

で、同じ考え方で自己実現という言葉を見れば、つまり文字通りに考えると、先に実現すべき「自己」が特定されていなければならない……ということになります。

しかし、たとえば、あなたは「自己自身」というものをはっきり特定できますか?

と聞かれると……ふつうできませんよね?

それで、合理的に解釈しようと考えると、この、自己実現と言っている時の「自己」というのは、自己自身の全体のことじゃなくて、単にある一時点での特定の自分の状態のことだと考えるのが妥当ということになります。

それなら、ある意味特定できるから。

たとえばですけど

「5年後、自分が何歳になったときには……こんなふうになっていたらいいなあ」

という、そのことがここで言っている「自己」という意味なんだと理解すればいいです。

で、そう考えると、

「自己実現=目標達成(あるいは、目標達成が複数集まったもの)」

で間違ってないですよね?

これはこれで、ひとつの考え方です。

自己実現とは、結果的にそうなるということ

ただし。

自己って、あらかじめ頭の中で想定した通りにならなくても、その時に納得できる、満足できる自己だったら別に良くないですか?

そう考えると、ちょっと変わってきます。

目標達成というときに、その目標というのは意味からして、

「結果を見て、後から目標そのものを決める」

……っておかしいですよね?

どう考えても、

「目標」→「達成」

って時系列ですよね。順番変えられないですよね

でも、自己実現という場合には、しようと思えば

「すでに実現している状態」→「自己」

っていう流れで考えても、別におかしくはないですよね。言葉の意味的には。

冒頭に書いたように、

「なんでもいいから金持ちになりたいなあ」
「とにかく幸せになりたいなあ」
「自由になりたいなあ」

とか思っている人は……たぶん、初めに思い描いた通りの道筋で成功しなくても、結果的にそうなれば嬉しいですよねきっと。

あるいは、後から振り返って、最初に思い描いた未来とぜんぜん違う状態だったとしても、その時に自分で良いと思えれば良いですよね?

むしろ、自己とはいつも後付け

……っていうか、本質的なところを言うと、私は、人が初めに思い描くものなんて、たいてい間違っているだろうと思ってます。

だって、分からないですから。

知らないですから。

ですから、あらかじめ望んだ通りの人生を歩むことが自己実現なのではなくて、本来は、人生が自分にとって望ましいものであったと「後から振り返ってそう思える」ということが自己実現の条件になるはずです。

ただ、私が思うに自己実現と言えるためには、もう一つの条件があって、それは未来のどこかの時点で、

「望ましい状態だと思えること」

だけではなくて、

「それが自分にとって自己そのものであるという実感」

も必要です。

もっとかんたんに分かりやすく言えば、いつか

「自分は確かに自己実現したのだ」

と思える日が来れば、それがまさに自己実現です。

(同語反復みたいですけど……)

もちろん、そのために「目標達成」という方法を用いることはぜんぜん構いません。

実は、目標達成というのは自己実現に至るための、ひとつの有力な手段です。

しかし、自己実現と、目標達成とは、この意味ではまったく違う事柄です。

何?

そんなマインドセットじゃ絶対成功できないだと?

……でも、別に目標設定とかマインドセットなんて気にしたこともない多くのふつうの人たちが、十分に人生を楽しんでいるじゃないですか?

自分の人生は本当にいい人生だったって思ってるんじゃないですか?

ただただ目の前のことに邁進して自己実現した人や、自分の成功などではなく、ただ、

「だれかのために」
「何かのために」

という気持ちだけで行動してきた人がたくさんいるじゃないですか。

その人たちは自己実現してないの?

それを自己実現だと、あるいは人生における成功と呼んではいけないとだれが決めることができるのでしょうか?

広げてゆく考え方に立つ

このような考え方は、そもそもが「広げてゆく考え方」に基いています。

ただし、そのように「広げてゆく考え方」に従って行動した結果、いつか思いがけず大きな目標に出会う日が来るかもしれません。

その時点で湧き上がってくる、心から実現したいという思いというのは、無理に頭の中で作り上げた目標とは違います。

言っておきますが、ふつうに目標設定して期限を切って行動して、ちゃんと夢を実現できた!

……それでも良いんです。ただ、それだけが唯一の方法じゃないのです。

主に西洋型の成功法則、成功哲学の中に見られる方法論は確かに「断ち切ってゆく考え方」を土台にしていると思われる内容のものが多いです。

極端に言うと、断ち切ってゆく考え方に立てば、自己実現とは目標達成と同義と捉えても問題はありません。あるいは、

「目標達成を連続できている自分こそ自己そのものであるという実感」

を持っていること、それがこの場合の自己実現の意味になります。

しかし、実際に自己実現できている人の考え方には、実は2つあるということを私は言いたいのです。

そして、

「断ち切ってゆく考え方」
「広げてゆく考え方」

のどちらを取るべきかは、その人の性格や価値観などによるところも大きいのですが、同時にそれは、人の一生に渡ってずっとどちらか一方だけに限定しなければならないというようなものでもありません

実は、それはあなたが今いる人生のフェーズ、あるいは制約条件や環境などによって常に選択の余地があるものなのです。

つまり、あなたはそのどちらも用いることができます。