お金持ちの特徴を真似しても金持ちにはなれないよ

よく、

「お金持ちになる人には共通する特徴がある」
「お金持ちが必ずやっている習慣」

といった話を聞きます。そういったタイトルの本もよく見かけます。

お金持ちの人たちがやっている習慣や、お金持ち特有の考え方を知って、それを真似して身に付ければ、自分もお金持ちになれる……と考えます。

代表的な「お金持ちの特徴」

たとえば、私が何回も聞いたことがある「お金持ちの特徴」というのは、たとえば

「ムダなものは安くても買わない」
「本当に必要なモノには惜しみなくお金を払う」
「お金のことが大好きである」

といったもの。それ以外にも、たとえば

「折り畳み財布を使わない。長財布を使う」
「紙幣を折り曲げたりせず、方向もそろえてきちんとしまう」

って聞いたことありません?

また、

「概ね早寝早起きである」
「自分の時間や、家族との時間を大切にしている」
「他人を喜ばせることを常に考えている」
「決断が早い」

といった、一見すると「お金持ちになる」こととはまったく関係ないようなものもしばしば取り上げられますよね?

この逆もまた然りで、貧乏になる人の特徴とか、お金持ちになれない人に共通する考え方や習慣というのも、ネットや動画などで探せばたくさん見ることができます。

……たとえば、ではこれらの「お金持ちの特徴」をたくさん知って、それを全部できるだけ取り入れることで、あなたはお金持ちになれるのでしょうか?

どう思います?

私は……たぶん、なれないと思います。

お金持ちの特徴を真似してもお金持ちになれない理由

それは、なぜかと考えるとですね……。

① 単なるイメージ

まず、これらの情報の中には、ごく一般に人がイメージする単なる「お金持ちの人像」の描写が多く含まれているからです。

たとえば、これもしばしば聞くことですが、お金持ちの人は

「だれにでも親切にする」
「いつも明るく、活発で積極的」
「時間を大切にしている」
「新しい知識や情報を常に勉強している」

……といった特徴がある、というような言い方がありますが、これってきっと単なるイメージですよね。本当のところ、こういった個々の傾向を持つ人というのは、お金持ちの人の中にも一定の割合でいるとは思いますが、お金持ちじゃない人の中にも一定の割合で存在します

逆に言って、そもそも「お金持ちの人」に良いイメージを持っていない人もたくさんいて、そういう人から言わせれば、これとはまったく異なる「お金持ちの人の特徴」つまりお金持ちに対する悪いイメージがたくさん聞けるでしょう。

そして、実のところ、そういう面を持っている人も、一定の割合でいるのでしょう。それはお金持ちの中にもいるし、そうじゃない人の中にもいると。

お金にまつわる点なら多少なりとも信憑性というか、蓋然性があるかもしれません。しかし、素直に見た場合、お金持ちになるかどうかとはまったく無関係に思える事柄が、しばしば「お金持ちになる人の特徴」として扱われていることがあります。

特に対人関係に関することや、倫理的、道徳的な面のことが多いように感じますが、これらは往々にして

「そうあるべきだ」
「そうあってほしい」

という感覚から出ていることが多い気がします。

② 因果関係が逆

「お金持ちになる人の特徴」として挙げられることの中には、往々にして、逆に「お金持ちだから、そういう傾向になる」という事柄が含まれています。つまり、極端に言うと

「だれだって、お金持ちになったら自然にそういうふうになるんじゃない?」

というようなことです。たとえば、あなただって私だって、すでにお金持ちであったら

「お金より時間を大切に思う」

でしょう?

「安くても不要なものは買わない」

でしょう?

「お金の一部は投資に回す」

でしょう?

お金持ちは、それによってお金持ちになったというよりも、お金持ちだからそういう行動になるんじゃないでしょうか?

「もともとそういう傾向を持っているから → お金持ちになる可能性が高い」

のか、

「すでにお金持ちだから → そういう傾向になりやすい」

のか、はっきり分かりません。

③ 比較ができない

仮に、上記に当てはまるようなものを何らかの方法でうまく排除できたとします。つまり本当に

「これは本当にお金持ちになった人に有意に現れる特徴と言える」

と思えるような……そういう特徴が見出せたとします。

でも、もしかすると、その裏には「同じようにそのような特徴を持っていながら、結果的には金持ちになれなかった」という例が山ほどあるかもしれません。

つまり、本当を言えば、もしデータとか統計的な検証とかが可能なのであれば、たとえば

A 結果として実際にお金持ちになったグループ
B お金持ちになろうと努力したが結果的になれなかったグループ
C 最初からお金持ちになんかなろうとしていないグループ

というふうに3群を比較してみないと、それが「お金持ちになることと相関性が高い特徴だ」とは断定できません。

仮にAグループだけに特異に現れる特徴とか傾向が見出せれば良いのですが、もしそれがAとBの両方に共通してみられる特徴だったとすれば、それは単に

「お金持ちになりたいと思っている人の特徴」

にしかなりません。言い方を変えれば

「お金持ちになれるかもしれないし、なれないかもしれない人の特徴」

なのであって、むしろ何の意味もない……ってことになってしまいます。

もちろん、このようなデータを追跡して集めることは非常に難しい作業です。しかし、以上のように考えると、しばしば言われている

「お金持ちに共通する特徴や習慣」

というものは、かなり多くのものがあまり当てにならないということになります。

もちろん、良いことは取り入れたら良いです

もちろん、そうは言っても、中には素直に考えて納得できるようなものもあります。

たとえば、私だって

「お金の管理をしっかりしている」
「長期的に、計画的に収入や支出をコントロールしている」

といったことは、当然

「お金持ちになる人の特徴」

と言って差し支えないと思います。

……っていうか、ある意味当たり前ですけど。

逆に言うと、結果的に「当てになる」と思えるものを残すとすると、それは結局、当たり前のことしか残らないことになるでしょう。

もちろん、他にも、聞いてて単純に

「それは良いことだな」

と感じることは何であれ、真似したらよいです。

それはふつう、あなたにとって良いことで、おそらく良い結果につながりやすいでしょう。でも、それをもって

「お金持ちになれる」

と言えるかどうかは、きわめて不透明です。

そもそも、お金持ちの特徴とか、お金持ちになれる人に共通する習慣……といったものは現象ベースで見ると無数にあります。それをすべて挙げることは非常に困難なことです。さらに、それらを端的に言葉で説明するとなると余計に困難です。

それでは、私たちはお金持ちになりたければいったい何を頼りに考え方や、行動を決めたら良いのでしょうか?