「やる気がないように見える人」は、何にも考えてない人ではない

あなたの周りにも、こんな感じの人がいませんか?

「ぜんぜんやる気がない」

ように見える人。

仕事や職場のことについて、

「ホンっとに何にも考えてない」

ように見える人。でも、端から見た印象と違って、実はその人は「何にも考えてない」わけではないのです。

その人はむしろ、人一倍いろいろなことを考えている

たとえば、

当たり前のことをやらない。

最低限の指示されたことだけしかしない。

それが終わるとまた何もせずボーっとしている。

自分から仕事を覚えようとしない。

注意されても、きちんと受け止めようとしない。

業務の進捗や、同僚の様子にまったく配慮がない。

……みたいな?

こういう印象が固定してしまった人というのは、周りから見ると本当にまったく何にも考えていないように見えることがあります。

自分のしている仕事にもまったく興味も関心もないように見えます。

ただ給料もらいに来ている、という感じです。

思い当たる人がいますか?

で、私が言いたいのは、こういう人って、実は、必ずしも本当に何にも考えていないわけじゃないってことです。

実は、周りからそう見られている本人は、むしろ人一倍いろいろなことを考えている場合があるんです。

(もちろん、本当に考えていない人も、いるかもしれませんが……たぶんそれのほうが少数です)

多くの場合、その本人は終始頭の中ではいろんなことを思い巡らせているんです。

「あの人はどう、この人はどう」

というふうに、周囲の同僚や、上司、あるいは社長や役員のことまで。

また、

「この仕事の手順は、本来こうしたほうがいいのに」
「こういうルールにしたほうが効率的なのに」
「会社の制度をこういうふうに変えれば良いのに」

はっきり意見を言ったりしないけれども、自分の中ではその職場のルールや、作業の流れ、各自が担当している業務の詳細について、むしろいつも細かく評価したり、考えたりしているんです。

でも、それをやろうとした場合には、こんな問題が出る可能性がある。

あるいは、予算が足りない、あるいは、きっと反対する人のほうが多い……などと実は頭の中で自分なりにあらゆるパターンをシュミレーションしたりもしています。

そして多くの場合、周囲や他人のことだけではなく、本人は自分自身の欠点や、能力の足りない面などをだれよりも細かく分析していたりします。

そう、実は問題はたいてい自分でも分かっているんですね。

思考の迷宮にはまり込んでいるかのように

もちろんタイプにもよりますが、あるタイプの人は、決して直接言ったり、態度に現わしたりもしませんが、そのように自分の中では考えていることがたくさんあって、いわば、すでに脳の容量を使い切っているかのような状態にあるわけです。

あるいは、その職場、その仕事のことだけではなく、自分の人生全般について、また、時にはその会社全体のことや、もっと広く社会とか時代とか、世界の流れとか?

とにかく、考えていることが多すぎて、たいてい自分でも手に負えないような感じになっているわけです。

そして、むしろそうであるがゆえに、

「目の前のことに費やす余裕がすでに残っていない」

って感じなのです。

ですから、日常の業務が不完全だったり、自分のテリトリーから出なかったり、人の手伝いや雑務を嫌がったり……というように、結果的にそうなってしまうところがあります。

……って、別に弁護したいわけではないんですけれども。

限られた思考の容量を、どこに費やすか?

私が言いたかったのは、あらゆることが必要、あらゆることが大切、あらゆることが自分に関係ある……というふうに、際限なく思考することを増やし続けると、だれでもそのような状態に陥る可能性があるということです。

つまり、

「何も考えてない人」

のように見えるのは、むしろ

「他のことを考え過ぎているから」

です。

まあ他人からどう見られるかは別としても。

実際、自分がこのような状況にある時というのは、生産性も上がらないし意欲も減退しやすいし、他人とコミュニケーションをとることも難しくなりますよね?

私のイメージから言えば、このような状態になりやすい人は、たいていはむしろ、比較的気まじめで、細かいことによく気が付くような几帳面な、ある意味感受性の強い面を持っています。

特に日本人って実はこういうタイプの人って意外に多いような印象があります。