メンター制度もいいけど、メンターくらい自分で探せよ

実際の社会の中では、

「自分が本当に正しいと思っていること」

を、発表する機会は、ほとんどありません。

それを忌憚なく話せる相手がいるとしたら、それが

「メンター」

です。

もちろん……これは私の勝手な定義です。

一般には、メンターというのはまったく違う意味で使われています。

ところで、だれかの言ったひとつの言葉が、自分の運命を変えるような大きな気付きや、転機になるということが実際にあります。

それはたとえばある本の一節だったり、偉人の名言だったりすることもあるでしょう。

ただし、振り返ってみると私の場合には、身近な人の言葉だったり、兄弟や家族が何気なく発した一言だったりすることも少なくなかったように記憶しています。

話す相手を確保する

夢や目標を人に話すことのメリットはよく指摘されます。

自分が今考えていること、自分がこの先やろうとしていることや、すでに意識的に取り組んでいることなどを、他人に話す機会というのは貴重です。

企業の経営者などは、実質的には自分の考えを話して、いわば聞いてもらうという目的のために多額の費用を払ってコンサルタントやアドバイザーといった方を雇っていたりしますよね?

もちろん、基本的にはそれなりに専門的な知識を持った、実績のある方を選ぶのは当然でしょうが、それにしても、単に専門的な知識を持った人が欲しいというわけではなくて、おそらくそこに、いわば

「信頼できる話し相手」

としての価値を見い出しているのではないかと思います。

また、著名人やスポーツ選手などの場合にしばしば、妻や夫が良き相談相手であるとか、アドバイザー的な役割をうまく果たしてくれているという話を聞きます。

実際、自分の考えや思いを人に話すというのは、それだけで大変価値があるものです。

話す相手を選ぶ

ただし、なんでもだれにでも話せばいいというものでもありません。

「だれに話すか?」

はけっこう大事です。

たとえば、日ごろからなんでも批判的に語る人っていますよね。

そういう相手に、自分の素の考えや感情を話したら、たぶん批判的な意見ばかり聞かされることになるでしょう。

当たり前ですけど。

確かに批判されたほうが良い場合もありますが……本当にあなたの事情や価値観などを理解している相手が、その上でそれでもあなたのためを思って、あえて苦言を呈してくれているっていう場合は貴重ですけど、なんでもただ批判したいだけの人もいます。

これは、相手がいくら親しい関係でも、身内でも基本的には同じです。

あるいは、あなたの会社にもし、メンター制度のようなものが導入されているかもしれません。

そのメンターは、むしろ今までの仕事のうっぷんや、会社に認められない自分の勝手な主張を聞いてくれる人を求めているだけかもしれません。

万一そういう相手がメンターだとすると、そこに相談などを持ち込んだあなたは、飛んで火に入る夏の虫とでも言いますか、相手からするとかっこうの餌食みたいなものです。

ここぞとばかりに自説を展開されて、あなたは自分の話を聞いてもらうどころか、逆に相手の相談に乗ってあげてるような気持になるでしょう。

どんな説にも一理はある、と考えて、他人の意見や考え方を常に学ぶというのも悪いことではありませんが……。

おそらく直接的な有効性は極めて低いです。

まあ、社内で上手くやっていくにはそういった方への配慮も必要かもしれません。

ただ、

「夢や目標を人に話すことのメリット」

としてはきわめて弱く、むしろ弊害になる危険性も高いということです。