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「5W1H」を使った仕事の見直し方法
5W1H(六何の法則)とは
When(いつ)
Where(どこで)
Who(だれが)、あるいはto whom(だれに対して)
What(何を)
Why(なぜ)
How(どのように)
の頭文字をとったものです。
「5W1H」は、さまざまな場面で使用されるきわめて汎用的、基礎的な思考フレームですが、ここでは自分の仕事内容を見直し、改善に期するための前提を考えるというテーマで使う例を挙げたいと思います。
……まず、会社での仕事などの場合、日々の流れで続けているとそもそも自分の担当している業務の本来の目的や、達成すべきレベルやクオリティの基準がいつの間にかブレていることがあります。
自分自身が設定した目標に関する作業などでもそうですが、特に周囲の他人との絡みや兼ね合いが常に起こる場合、現状優先を繰り返しているうちに、そもそも何のためにやっているのかとか、どれくらいの頻度、完成度で仕上げるのが妥当か……というところが次第にあいまいになっています。
なので、まず個別のタスクの効率化といった具体的な内容に入る前に、自分の仕事全体を俯瞰して捉え直す作業が必要です。
5W1Hで考える時の順番と内容
「5W1H」を実際の事柄に当てはめて用いるときには、その順番が意外に重要です。用いる目的によって有効な順序はまったく変わってきます。
ここでは自分の仕事を見直すという行為をテーマにしているので、私が考える最も有効な順番ですが、この場合まず
① What(何を)
から考え始めます。
「自分はそもそも本質的には何をしなければならないのか?」
「自分の仕事を端的に表現すると何なのか?」
……をあらためて規定します。
これは、本当はその仕事に入る段階(会社なら入社当時とか)で一度きちんと整理しておくべきことなのですが、とは言っても状況や周囲の環境によって事実上の目的や関係が変化している場合もあります。また、経験を積んでいく中でさらに本質的な部分が見えてきているかもしれません。
その意味では、時間の経過とともに捉え方が変化するほうが自然とも言えます。
② Why(なぜ)
次に、それをやる「理由」ですね。
ここで、仕事の場合だったら「理由」というのは実は2つの側面があって、ひとつには「その業務自体の目的」をはっきりしなければなりません。
しかし、それとは別に、もうひとつ
「自分がそれをやる理由」
というのも存在するはずです。
つまり、たとえば会社の仕事であれば、なぜあなたはその仕事を選び、今の会社にいて、その仕事を担当する必要があるのか……ということです。
私は、これによって具体的な仕事の内容とか、(自分のための)力点の置き方や、どの部分にどれくらいの質を求めるかというのはけっこう調整がきくものと考えています。
極端な例ですが、仮に「自分がそれをやる理由」が単に100%給料を得るためだけ、と割り切っているならそれはそれでやり方があるでしょう。
でもそうじゃなくてたとえば「スキルアップ」とか「昇進」あるいは「将来的な目標達成に至る過程」とか思っているなら……仕事の運び方や求めるクオリティが当然変わりますよね。
③ to whom(だれに対して)
「who」はあなた自身であることは自明なので、ここで明確にするべきは
「あなたはだれに対して仕事を提供しているのか」
ということになります。
その仕事を直接提供する先はだれなのか……つまり関係者です。これはたいていの場合自明に思われますが、ただし抽象論ではなくて直接的に「事実上の」相手を特定するべきです。
たとえば、あなたの会社は全体としては「顧客に〇〇のサービスを提供する」会社だったとしても、その中であなた自身がやっている業務は単に「特定の部署にデータを提出する」ことかもしれません。
すると、たとえばあなたの事実上の仕事相手は「お客様」ではなくてその特定の部署と見做すべきかもしれません。
また、仮にあなた自身が直接に顧客と関わる業務を中心に担当していたとしても……その成果を提出する相手が上司なのであれば(そして、それによってあなたの成績や評価が決まるのであれば)、事実上あなたはだれにたいして自分の成果物を提供しているのか。
実はこれはあなた自身の目的や仕事観(② Whyの内容)に伴って捉え方が変わってくるはずで、あなたが自分の仕事について何を本質と考えているのかが重要なポイントになります。
④ Where(どこで)
「どこでって……職場に決まってるじゃん」
という意味じゃなくて、ここでは
「全体の中での位置付け」
と考えるのが有効だと思います。
関係する業務プロセスの中で、自分の担当する業務がどこに位置しているか、あるいは、自分の提出した成果物がどの範囲にどんな影響を及ぼすか……ということを再確認しましょう。
⑤ When(いつ)
この辺で、上で考えた「まとまり」としての仕事を、より具体的、日常的な作業、タスク単位に分解しましょう。
そして、現実の職場ではそれぞれがどんなタイミングで繰り返されているのかを明確にします。
⑥ How(どのように)
一般に「5W1H」と呼ぶことが多いのでここで一応挙げますが、今の考え方の流れだと
「How(どのように)」
というのはまさに、具体的に業務を効率化をどのように進めるかという問題の中心に当たりますよね?
ここであらためて自分がやっている業務を作業単位、タスク単位というふうに分解して整理します。上記の①~⑤は、結局は「How」を考えるための前提という位置付けになります。
つまり「5w」を考えることは自分の仕事全体を再定義するという意味であり、それを踏まえての「How」になります。
理屈で言えば、あなたが実際やっている具体的な作業は全部それに合致した形で体系立って整理されるべきものだということが分かります。
逆に言うと、日々の作業を羅列して眺めてみれば、上記で考えた「5w」と不整合と思われる部分が発見できることがあります。その部分こそ真っ先に見直すべき点である可能性が高いということになりますよね?