スティーブンRコビー著の「7つの習慣」は数ある自己啓発書の中でも最も有名なもののひとつ。1989年初版。

20世紀に最も影響を与えたビジネス書とも言われ、世界で累計部数は3000万部。日本国内では1996年「7つの習慣 成功には原則があった!」として発売され、累計200万部。

著者のコビー氏は2012年に亡くなっています。

「7つの習慣」について

「7つの習慣の中で、最も重要なのはどの習慣?」

という質問を時々聞きます。

気持ちは何となく理解できますが……しかしこの質問は実質的にあまり意味がないように思えます。

「7つの習慣」なので、当たり前ですけど、内容は7つにまとめることができます。

① 主体的になる(Be Proactive)
② 終わりから考え始める(Begin with the End in Mind)
③ 優先すべきことを優先する(Put First Things First)
④ Win-Winを選ぶ(Think Win/Win)
⑤ 互いに理解し合う(Seek First to Understand, Then to Be Understood)
⑥ 相乗効果を創り出す(Synergize)
⑦ 自分を磨き続ける(Sharpen the Saw)

ー「7つの習慣」より。和訳は若干変更しています。

それで、基本的にはこれを、より大きく3つの「段階」として分けることもできて(本書の構成もそうなっていますが)

最初の3つの習慣は、一言で言うと

「まず自らを律する」

ということがテーマと言えます。

「依存」→「自立」

という感じですね。

次の④~⑥の3つの習慣は要するに

「人間関係」

に関すること。いわゆる

「自立」→「相互依存」

の状態に移行することに主眼が置かれています。

そして最後の、第7の習慣は、通常

「刃を研ぐ」

と題されていますが、これは私個人の解釈では、最も端的に言えば

「続ける」

あるいは

「繰り返す」

というふうに捉えるのが良いと思います。

第7の習慣「刃を研ぐ」について

私は、イメージとして人の人生というのは、あるゴールを目指して一直線に歩むような感じではなくて、

「螺旋(らせん)階段を登るように」

一見ある種の循環、繰り返しに見えながらも総体としてより高みに登ってゆく、というようなものなのかな……と感じます。

本書の7つの習慣にしても、一見すると

「他者依存」

「自立」

「相互依存」

という順序で人が成長してゆく姿を想定する人が多いと思いますが、実は私たちの現実の人生は、おそらくそういうふうに単純な推移にはなっていません

たとえば、良好な相互依存状態を維持できていると思っていた相手なのに、ふと気が付くといつの間にかどちらかが依存し始めていることに気が付いたりすることもあるでしょう。

ある人が、その環境の中では理想的な相互依存関係を構築できているとして、しかし、その同じ人が環境の変化や、価値観や人生のフェーズの推移などの理由から、

「また最初からやり直さなければならない」

という状況に入る可能性だってあります。

たしかに、一度目よりは二度目のほうがうまく行く確率は高いでしょうね?

しかし、まったく同じ手段が当てはまらない場合もあります。

時は流れ、人も入れ替わります……その都度、自ら考え、行動を選ぶ必要に迫られるのが人生です

このように、ある意味ぐるぐる回りながらも、気が付けば階上へと進んでいく……というのが自然な姿で、その過程で常に

「7つの習慣のそれぞれが」

その形と質を少しずつ変えながら、代わるがわる自分の課題として目の前に現れる……私はそのようにイメージしています。