1967年初版。ナポレオンヒルが著した「思考は現実化する」という本は、成功哲学、自己啓発書の原典と言うべき有名な本。

ナポレオンヒルその人自身も成功哲学の祖などと呼ばれることが多いです。

最初に読むべき「成功哲学本」と言えばナポレオンヒル一択

出版以来、累計販売部数は世界で1億部以上とも。そして今なお売れ続けている恐るべき本と言えます。

もちろん……それだけに批判する人も多いです。

むしろ批判されてこそベストセラー。特に成功法則分野の本というのは、ある意味では一方で強烈に批判する人がいてこそ名著なのだとさえ言えます。

だれにも相手にされてない本は別にだれも批判しませんからね。

いずれにしろ……もし成功法則、成功哲学といった分野に関心を持ったのであれば、何はさておきとにかく

「思考は現実化する」

これを最初に読むべき。これはもう絶対。必須。一択。

……と私は思います。

原題は「思考は現実化する」ではない

ナポレオンヒルは(というか最初にこれを出版した出版元は)この本のタイトルを

「The Think and Grow Rich」

としました(「The」が付いていないバージョンも存在する)。

これを私のつたない英語力で単純に訳せば

「思考と金持ち」

です。

内容を私なりに踏まえて意訳するとすれば

「豊かに生きたいのなら、頭使えよ」

という感じです。

ナポレオンヒル博士ならもう少し上品な表現をするかもしれませんけど。

ちなみに、本書内では「頭」のことを「脳力」という語で表しています。能力ではなく「脳力」です。この言葉がひんぱんに使われています。

なので邦訳としては

「富と脳力の関係」

とするのがたぶんもっとも現代の意味に近い。

……まあ、売れるか売れないかは別ですけどね。

ところが、日本で出版された際の実際のタイトルは

「思考は現実化する」

だった……このタイトルがいろいろな物議をかもす原因となっている面が大きいです。

ちなみに、

「新・完訳 成功哲学」

も同じ「The Think and Grow Rich」の翻訳本です。

ついでの情報

私個人としましては……周囲のいろんな声に(否定、肯定どちらも)振り回されずにとにかくいったん素直に読んでみるのが一番良いように思います。

でも一応先に言っておきますと

① この本は『ナポレオン・ヒル・プログラム』のPR本という側面があります

もちろん出版すること自体も視野には入っていたでしょうが、 もともとナポレオンヒル氏はむしろ「成功するためのメソッドを体系化する」ことを目指して取材や活動をしていた人なので、この本は 『ナポレオン・ヒル・プログラム』 の導入編、あるいは紹介本という位置付けになります。

と言っても、内容的には本だけで完結しています。

ただ、ところどころに「宣伝?」みたいな箇所があります。

……それをどう受け止めるかは読者の自由ですけど、とりあえず最初はそこはあまり気にしないほうがいいです。

② 客観性や科学的根拠を安易に求めないほうがいいです

特に最初に読むときに、あまり根拠や確証を求めるような姿勢で「批判的に」読んでしまうと、たぶん期待が外れます。

……もちろん人の自由ですけど、私の見方から言えば、せっかく読むのに、そういう観念を前面に出して読む読み方は「非常にもったいない読み方」に見えます。

いったん読んでから、気になったらそういうことも調べたり判断したりすれば良いと思いますが、最初から疑ってかかるような読み方は多大な時間の浪費に思えます。

著者のナポレオンヒルは、成功法則を体系化するために延べ500人以上の「成功した人」を取材したと言われています(というかこの本に書かれています)。

その中には

「ヘンリーフォード」
「エジソン」
「マハトマガンジー」

など超有名な人も含まれていて、本書では成功者の多くの事例が紹介されています。

……ただし、その500人がすべて紹介されているわけではないし、本を読んだだけでは、その500人ってだれなのか? もこれを読んだだけでは不明です。

そして別にそれを母体として成功者の特質や行動パターンが「統計的に」どうだとか、そういう(今よくあるような)客観データ重視、メタアナリティクス……みたいな手法で書かれているわけではありません。

③ この本はかなりのボリューム感があります

この本はかなりのボリュームがあります。単純にページ数も多いですが、内容が内容だけに、さらっと流し読むタイプの本ではないため、はっきり言って読み進めていると途中で疲れてしまいます(私の場合ですが)。

よって、通常多くの人がそうするように、本の冒頭から流し読んでいくと最終的にわけが分からなくなるか、あるいは途中で読むのをやめてしまう確率が高いです

しかも、本書の中でも繰り返し指示されていますが、一度読んだだけではほとんど効果はなく、要所を何度も読み直すことが推奨されています

ただ、これは多くの人にとってかなりハードルが高い要求に見えます。

そこで、以下のように読み進めていくのが最も有意義に感じます(あくまで私なりの場合です)。

まず、この本は冒頭から序文のかなりの部分が、

「ナポレオンヒル博士(著者)自身の紹介」
「関係者による彼への賛辞」

などで占められています。たしかにそれはそれで興味深い面もあるのですが……本題に入る前に疲れてしまうと思われる人は、冒頭部分はばっさり飛ばして、本題から読み始めることをおすすめします。

また、本編は基本的に

A 成功するための提言(思考は現実化することを説明する力強いメッセージ)
B それを補完する事例(多くは過去の成功者たちの物語)

の連続です。

ふつうに読み進めていくと、たぶん要点と事例がこんがらがってくると思います。なので、最初に読む時には自分なりに重要だと思った点などを適時ノートにメモしながら読んでいくと良いでしょう。

本書自体に、各章の末尾に要点を書き留めておくように、また自分なりに気になった箇所には適時ラインを引いたり、メモを書き入れたりするようにと指示があります。

しかし、特に一度目に読む時には、別にノートやワープロソフトを用意して、読みながら気になった部分を別途メモしていくほうが理解しやすいと思います。すると後の整理にも有効です。

メモは、上記の

A 成功するための提言のうち、自分が特に気になった箇所
B 多くの成功者たちの事例の人名や簡潔な要約

にプラスして

C 都度、自分なりに思い浮かんだこと、考えるべきこと

を、それぞれの区別が付くような形で(色を変えるなどして)すぐに簡潔に記入していくのが良いと思います。

……ただし、本書はおそらく「あなたが成功するために」最適な形で構成されているはずで、何らかの意図があってあえてこのよう流れを取っているという側面もあります。

また、巻末に具体的な取り組み方を紹介した「アクションプログラム」が添付されている版もあり、参考になります。

いずれにしろ、一度読んで終わる本ではないのでご自身の意識やペースに合わせて柔軟に取り組むのが良いのですが……繰り返しますが、最初に読むときの一番の問題は

「この本の圧倒的なボリューム感」

ですので、途中で投げ出さないで一度全体像をつかむつもりでトライするのが、個人的には重要な気がしています。