成功法則なんて、この世に存在するはずがない。
嘘に決まってる。

……という人はたくさんいます。

たぶん、そっちのほうが多数派と言えるかもしれません。

しかし、それは本当でしょうか?

「成功法則の嘘」という言い方がウソの場合がある

最初に確認です。

一般的に

「成功法則の嘘」

といった言い方をする場合、その中にはしばしば、こういうものも含まれますよね?

「よく知られている、その方法はウソで……本当はこうやる」

という展開になっているものです。

言い方としては他に

「あなたのそのやり方では成功できない。なぜなら本当はこうだから」
「それは間違い。あなたはこの点を分かっていない」

……というのも同じです。

それぞれの内容が正しいか間違っているかは別として、こういう話で出てくる場合の

「成功法則は嘘」

という表現っていうのは、

「成功法則なんてこの世に存在しない
「世の中にあるすべての成功法則は全部ウソです

……と言っている場合とは明らかに違いますよね?

だって、別のやり方があるって言ってるわけですから。他に「本物の」成功法則があるという主張なわけですから。

全否定する人は実は少ない

ここで話題にしたいのは、そもそも

「成功法則などというものは、存在しないんだ!」
「全部ウソだ!」

という主張についてです。

「成功法則は嘘だ」

というのを、そのまま文字通りに受け取ればそういうことになりますよね?

しかし

「成功する人の思考や判断、行動パターンなどにはまったく共通性も法則性がない

……実は、真正面からこう言われると、それはそれで自信を持って賛成できる人は少ないのではないかと思います。

実際のところは、多くの人は何となく

「半信半疑」

という感じのまま、付かず離れずという感じで「成功法則」と付き合っているのではないでしょうか?

成功法則は「実証」が難しい

これは、ある意味で「占い」を信じるか信じないか、と似ているように思うかもしれません。

けど違います

なぜかと言うと……占いの場合は、たいてい、当たったか外れたかがすぐに分かります。つまり占いというのは当たりはずれがそう遠くない時点ではっきり分かるのです。だからその結果を見て判断するということが可能です

しかし、成功法則については、結果をすぐに見ることはできません。また、ずっと先になって仮に結果と言えるようなものが出たとしてもそれが成功法則に沿っていたからなのか、それともぜんぜん別の要素によって起こったのかも判然としません。

つまり、成功法則というのはそういう方法論ではウソとも本当とも言い難い代物なのです。

となると……もし、それでも「ウソだ」「いや本当だ」と言いたい場合には、どうしても

「その具体的な内容をある程度理解し、吟味しなければ」

言いようがないわけです。

「成功法則は嘘だ!」という人のタイプ

さて、だからふつうに考えれば成功法則というのはそうかんたんに

「ウソだ」

と言い切るのも難しいはずです。

言っときますけど、もちろん逆に言えば

「本当だ」

と言い切るのも同じように難しいのですが。

ただ、それにしては、けっこうかんたんに

「成功法則はウソだ!」

という台詞を言い切っている人が多くないでしょうか?

「成功法則は嘘だ」と言う理由

私は、それは次のようなタイプの人が含まれているからだと思います。

① 実はあんまり知らない

まず、けっこう多くあると思うのが、上で書いたように

「成功法則のウソ」

みたいな本とか、ネットやYouTubeなどの情報を見て、そのまま何となく

「ウソなんだろうな~」

と思っている場合です。

そもそもよく知らないのであれば、実は嘘とも本当とも言えないわけですが、おそらくもう先に「ウソだ」という情報(というより、単なるフレーズというか、そういう言い方)に触れてしまっているために初めからそういう視点で見てしまうという傾向はあるように感じます。

② 逆にいろいろ知り過ぎて混乱している

逆に、たくさんの違った意見や情報を知り過ぎて判断が付かなくなっているという場合もあり得ます。

たいてい、成功法則というのは多くのパターンを知れば知るほど、互いに矛盾するような主張とか、あるいは既出の知識や情報を否定するような立場の主張などがたくさん存在することが分かります。

あるいは、どれかを少し試してみて、すぐに目立った成果が感じられないからと言ってすぐにやめたり、別の方法に変えたりします。

こうしていると、だんだん何を信じていいのか分からないという状態に置かれます。

すると、全体として

「これはもう、全部ウソなのではないか?」
「そもそも、全部間違っているのではないか?」

という心配が頭をもたげてくるのです。

つまり

「もうわけが分からないから→こんなのはきっと嘘なんだ」

という、しばしば見られるヒューリスティックス(論理的にはおかしいけど人間的にはまっとうに見える思考の流れ)です。

【ヒューリスティックス】
人が意思決定をしたり判断を下すときに、厳密な論理で一歩一歩答えに迫るのではなく、直感で素早く解に到達する方法のことをいう。

―コトバンクより

先ほど言ったのと同じで、成功法則というのは自分で実際にやってみて、実証したり検証したりするのがそもそも難しいのです。

ただ、

「一部に誤りや嘘が含まれてしまっている」

ことから

「全部が間違いである」

というのは、言い方としては間違っていないかもしれません。これは言葉の上ではある意味正しい理屈とも言えますね。

つまり、もしアプリやパソコンソフトのプログラムだったら一部に嘘が含まれていれば全体としてそのプログラムは

「False(偽)」

となる……のは確かです。

ただ、それは

「そのプログラムはどうやっても実行し得ない無意味なプログラムだった」

ということを証明することになりますか?

捨てます?

……いや、ふつうそれだったらエラーやバグを取り除くことが課題であって

「こんなの全部ウソだー」

って言っててもしょうがないですよね?

③ 100%だれでも可能なものでなければならないと考えている

次に、これは私の個人的な持論なのかもしれませんけど……どんな条件下であっても、だれでも絶対に成功できる完全無比の成功法則というものは、たぶんどこにもありません。

でも、どこかに(少なくとも理論上)そういう意味での成功法則が存在するはずだというイメージを持っている人もいるでしょう。

あるいは、そうでなければ「成功法則」とは言えないだろうと。

「100%どんな人でも成功できるようなもの」
「完全に再現性が保証されているもの」
「どんな条件下でも同じ結果になるもの」

……こういうのでなければ成功法則と呼べないと

すると、現実に紹介されているような成功法というのはすべて

「そんな意味で完全なのではない」

ので、(その意味では)すべてがウソであるという言い方はできます。

でもこの考え方は、一見すると理屈は通っているようにも思えますが実はほとんど意味がありません。

もともとあり得ないものを想定して、そうじゃないから全部ウソと言っているに等しいのですから。

繰り返しますが、私の考えでは

「すべての人を絶対に成功させる成功法則」

などというものはもともと存在しません

なぜかというと……一言で言うなら、それは人間には自由意志があるからです。

④ 自分が成功できない理由を求めている

最後に、理屈を逆から思考して、

「成功法則など嘘だ」

と結論付けている場合があります。

つまり、現在自分自身が成功できていないという事実からスタートして考えると、その原因のひとつの可能性として

「成功法則というのがそもそも間違っている」

という考えが出てくるわけです。

これはむしろ多分に感情的な問題を含んでいます。

要するに、自分が成功したいのにできない……という不満を何かのせいにしたいわけですよね?

でも、実はこの考え方もあまり意味がありません。

だって、もしそれが事実だとして……ではその場合あなたはどうやったら実際に成功できるわけですか?

成功法則というものを一切使わないで、ですよ?

あなたが成功すると、成功法則を証明することになる

仮に、あなたが

「成功法則なんて、全部ウソだ!」

と完全に信じているとしてですね……世の中にある成功法則に関する知識や情報を一切使わないで、何かぜんぜん別のやり方で実際に成功できたとします。

できるかどうかもよく分かりませんけど、とにかくなぜか成功できたとします。

でも、そうするとどういうことになるでしょうか?

おそらくですね……その場合、あなたは意識的に今ある成功法則的なものを使わないように注意しながら成功したとしてもですよ?

私の想像ですけど、それってたぶん、実際にそのプロセスを後から検証しようとすると、非常に多くの部分が今ある「成功法則」とカブっちゃうと思います。

おそらく、説明を抽象的にすればするほど、それは結果的に今すでにある成功法則とほとんど見分けがつかないようなものになるでしょう。

つまり、私が思っているのは、そもそも

「成功法則を信じて、それを忠実に実践した」

と思おうと

「成功法則なんて無視して、それに頼らず自力で実践した」

と感じていようと、実質的には、成功する人は、だいたい成功法則の通りに行動を積み重ねたから成功したという事実は変わらないんじゃないかということです。

だから私自身は(そのような意味での)成功法則というのは、確かに存在すると思っているわけです。