前の記事では「嫌な人」「苦手なタイプの人」に対処する方法を書いたのですが、これらの方法は一般的に有効ではあるものの、あくまで相手に合わせた受け身の方法論とも言えます。

嫌いな人に対処する9つの方法

でも本来を言えば、そもそも嫌な人に振り回されたくないものです。

というか……そもそも嫌な人なんてあなたの周りからいなくなってくれたらどんなに良いでしょう。

よって、今度は

「嫌な人に振り回されない自分になる」

という観点で考えてみましょう。

嫌な人より→自分に目を向けよう

「なんて嫌な奴だ」
「あんな嫌な人と、どう接したらいいの?」

と、多くの場合その相手を避けるとか、やり過ごそうとか、場合によっては無視したり仲間外れにしたりと……。

それらの対処法は、基本的に視線がその相手に向かっていますよね?

でも、嫌いな人に対処する……と言っても

「嫌いだけど、でも良い人間関係を築きたい。それには、どうしたら良いのか?」

という問題意識を持っている人もいるでしょう。そうなると、前述の対処法だけではあまり有効ではありません。

もちろん、同じ職場で働く同僚なら嫌な人でも協力的な関係を維持しなければならないし、なるべくならうまく付き合いたい。

自分の上司だったりしたら余計に重要ですよね?

また取引先の担当者、顧客の中にも苦手なタイプは必ずいます。

だからこそ、相手がどうであろうと、自分自身がなるべく幅広いタイプの人と付き合えるような「許容量」を持つことが重要になってきます

ストライクゾーンを広げるというか。

そこで一度、自分自身のほうに目線を戻して考えてみましょう

すると、もちろん一般にもよく言われるように、

「相手の良い部分を見つける」
「避けないで、むしろ自分から積極的に近付く」
「くよくよ考えない。いつも笑顔でポジティブに」

といった心構えを持つことは非常に有効です。

(けど……そんなことはあなたもたぶん分かってると思うので、今回は、それ以外の方法を考えましょう。)

嫌な人に振り回されなくなる方法

となると私がすぐに思い付くのは、単純に言ってまず

① 人間の心理の動きに詳しくなる

ことを考えるべき、ということです。

人間の行動や、性格形成の「背景」を考える習慣を持つことが非常に有効です。

それには、まず単純に言って多くの人間とある程度の親密さを持って接する経験を増やすこと、また、本を読むことです。

もちろん心理学や社会学に関連する実用書も有効ですが、人間の心理描写の多い小説や文学作品も良いです

また、たとえば映画やドラマなどでもシュミレーションは可能なのですが、その場合には言葉として直接的に心理描写されるわけではなくて、全部が映像や役者さんの台詞によって示されます。

すると、私たちは特に意識しない限り、そこに登場するキャラクターの性格とか、選択する行動についても

「自分の常識や、感情の傾向に沿って」

推察するだけになってしまいがちです。

しかし、当然ですがそれは「唯一の解釈」ではありませんよね?

だから、自分が直感的に浮かべた理由付けとか、人の心理とかについて

「これとはまったく別の見方、解釈ができないだろうか?」

と考えてみることが有効です。友達と話し合ったりしても意外な感じ方の違いを知ることができたりします。

ちなみに、最近の映画やドラマ、アニメや漫画もそうですが、最初は悪役だと思っていた人が実はすごく善人だったり(あるいはその逆)、または、敵対しているどちらの側にも感情移入すべき背景があって、単純に善玉と悪玉という図式では理解できないような作品が多いですよね?

言ってしまえば当たり前ですが……世の中には、自分とはまったく別の価値観や、境遇や、背景を持った人々が存在します。それらを複眼的に予測、推察する力があると、結果的に

「嫌うべき人のタイプ」

というのが消去法的に少なくなっていきます。

するとその分、別に避けたり、変に相手に合わせたりする必要性そのものがなくなっていくのです。

② 嫌いな人より上の立場に立つ

次に、これは身もふたもない言い方かもしれませんが……もし特定の嫌いな人がいるとして、

「自分のほうがその人より圧倒的に立場が上」

だったら、けっこうどうにでも対応できますし、そもそも好きか嫌いかとか、そういう視点で相手を見ることすらなかったかもしれません

ところが、特にその嫌な相手が直属の上司や、会社の偉い人だったり、先生とか、自分を指導してくれる立場の人だったり……。

つまり、嫌いなんだけれどもその相手に依存せざるを得ない状態だったりするからこそ……相手の嫌な部分がより増幅されて映ります。

さらに嫌なのは、それに耐えなければならない自分自身が許せなくなることです。にもストレスが蓄積され、自信を失ったり自己卑下したり、自分を責める気持ちが出てきたりと、ダメージが大きくなってしまいます。

人が特定の他人を「嫌いだ」と感じる理由というのは、相手の特性や行動パターンそのものよりも、実は相手との立場の違いや指示命令系統のような関係の構造的な問題が大きいです。

ですから、嫌いな人とうまく付き合うには、少なくともその相手より自分のほうが立場が上になれば良い。これは理屈で言えば非常に分かりやすい単純な解決方法と言えます。

ただし……もちろん分かります。

「それができれば苦労はない」

ですよね?

もちろん、会社の中で嫌いな課長さんをいきなり追い抜いて、あなたがすぐに部長に慣れるかというと、もちろんそんなことはあまり想定できないかもしれません。

ただ、もう少し長期的な視点に立って、考慮すべきことはあります。

仕事の進め方を見直して、相手との接触度合いや連携のしかたを変更できないか?

自分のスキルを向上することで、少しづつ関係のしかたを変化させることはできないだろうか?

「ECRS(イクルス)」を個人レベルの改善にどう当てはめるか

短期的には難しいとしても、少なくとも、

「その嫌いな相手にどう対処するか?」

ということに日々頭を悩ませているくらいだったら

「今より少しでも自分が成長して、相手に対する依存度を下げる方法はないか?」

に取り組むことに時間を使ったほうが、自分にとって有意義だと思いませんか?

③ 自分の周りに「好きな人」を増やす

今度は、自分の主観的な感じ方を変化させることができないかと考えてみると、仮に、その特定の相手との関係自体はまったく変えられないとしても、

「あなた自身を取り巻く人間関係の全体像」

が変化すれば、その中にあって嫌な人との関係の重要度や、心に占める割合は違ってくると考えられます。

私が特におすすめしたいのは、いったん、嫌いな人のことは放っておいて

「自分の周囲に、好ましい人物や、好感の持てる相手を増やしていく」

ことに力を注いでみることです。

④ 嫌いな人と関わる必要性をなくす

さて、長期的に見れば、そもそも

「嫌な人とは付き合わない」

ときっぱり言えたら……理想ですよね?

たとえば、会社にしろ取引先にしろ、お客様にしろ、相手に依存せざるを得ない状態自体を解消していけば、言い換えると

「こちらが選択できる立場になればなるほど」

自分を取り巻く人間関係を主体的に選択できるようになるはずです。

もちろん、それを実現するのはそれなりにハードルが高いですが。

しかし、不可能というわけでもありません。

性急に判断すべきことではありませんが、視野に入れておくのも悪くないでしょう?

何より、そのような大きな目標や希望に目線を移すことで、今悩んでいることがあまり気にならなくなるかも。

自立とは、戦略的依存である

⑤ 目的意識のフェーズを上げる

もちろん、会社に嫌な人がいるから、独立、起業したい……とか(別にそれも悪い考えとは思いませんが)短絡的に決める必要はありません。

どんな形にせよ、あなた自身の問題意識や、目的意識と言ったものを今より一段、二段と上げることに集中するならば、それに伴って

「今目の前にいる嫌な人」

に対する感じ方も大きく変わります。

「嫌な人がいつも気になって仕方がない」
「あの人のせいで私はいつもストレスを感じる」

根本的なことを言えば、あなたは今、その嫌な相手と同じ土俵にいるからその人のことが嫌いなのではないでしょうか?

人生の意味は変わる、だから自己啓発にはタイミングがある