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仕事を通して学ぶこと
多くのビジネス書や自己啓発本に出てくる
「すべての仕事に共通するルール」
みたいなものは、本当を言うと
「仕事の」
というよりは、それ以前の、あるいは仕事という範囲も含めた
「人間の」
「社会の」
前提的な約束事に関する知識と言ったほうが近いような気がします。
私自身、さまざまな職場を経験した中で立場も業態も雇用形態もさまざまでしたが、結局のところ上司や先輩に言われること……そして自分が部下や後輩に言っていることも、だいたいいつも同じだったなあ、と感じます。
人に業務について教えたり、指導したりするとよく分かると思います。
「毎回、同じことばかり言っている……」
どう表現するか、どう伝えるかは差がありますが、仕事をする上で大切な考え方というのはかなり共通しています。
つまり端的に言って、私たちは
「仕事の基本」
を学んでいるというよりも、人間のあり方とか社会性とかいったものを
「仕事を通して」
学ばせてもらっているようなものなのです。
教育機能の崩壊
仕事を通して学んだことは、もちろん仕事をする上でも大切なことばかりです。
だから企業とか、就職先では、それらを
「仕事の基本だ」
という言い方で教え込もうとするのです。
また社会的には企業もまた
「教育の場」
という側面があるという認識があったと思います。
ところが、今、職を取り巻く環境が大きく変動してしまいました。
人々の価値観も多様になっていて
「それはあなたの考え、私は私の考え」
というスタンスが許される場面が多くなりました。
それに合わせるように何でも自己責任という風潮が蔓延してきました。
もちろん、一方ではいわゆる「自己責任論」にも説得力があることも確かです。
しかし、以前ならどんな職場でも必ず言われたような基本的な指導さえ受けられないままになっている人が多くいるというのも事実です。
自由な気分が許されている反面、企業などに所属する個人的なメリットが大きく損なわれているというふうにも見えます。
また、たまたま最初の段階で自分が選んだ職場環境によって仕事から得られる価値があまりにも違いすぎます。
給与や待遇ではなくて、そこから学べることというのを価値と考えるならです。
自己啓発ブームの裏にある自己責任論
昨今
「自己啓発」
というのが一種のブームのようになっていますが、それは
「自己責任論」
の広がりと無関係ではありません。
そもそも自分が成長するために、どんな環境を選ぶかというところからして自己責任ですし、そもそも本人の自由なんですからね?