【目標】
Goal =スタートの反対。到着地点。行き先。
Target =標的。対象。
Aim =狙い。趣旨。意図。
【課題】
Task =任務。用事。
Theme =テーマ。主題。
Subject =主語。科目。
目標と課題の共通点
比較してみると、意外なことに「目標」と「課題」というのは
「それが指す具体的な内容」
で考えれば、ほぼ共通していることが分かります。
たとえば、
「来月までに体重を5kg落とす」
ということを、自分の目標だと言ってもいいし、それが今の私の課題だと言ってもおかしくありません。
あるいは、会社の仕事やプロジェクトの進捗過程で何か予期しない問題が発生したときなどにはそれをふつうは「課題」と呼ぶことが多いかもしれませんが、でも担当者や責任者がその問題を解決することを
「今の私の目標だ」
と言っても、別におかしくはないですよね?
内容的には同じ事柄をある時には「目標」と呼び、またある場合には「課題」と呼びます。
つまり、それを目標と呼ぶか課題と呼ぶかは物事の内容によるのではありません。内容で区別できると考えると混乱してしまうのです。
目標と課題の違い
では、その内容によって区別されないとすれば、いったい目標と課題とは何が違うのでしょうか?
それは、その「内容」に対する人の気持ちが違うということになります。
目標とは、自分の意思(動機)からその内容に関わろうとする時に使う言葉と言えます。
分かりやすく言うと、目標という時それは
「やりたいこと」
なのです。
それに対して課題とは必要性によるものです。つまり、
「やらなければならないこと」
です。
「来月までに体重を5kg落とす」
という行為・事柄について、あなたがそれを望んでやりたいと思っているとすればそれは目標と呼んで違和感はありません。
もし、そうではなくて何かの都合や事情があって、あなたが
「来月までにどうしても体重を5㎏落とさなければならない」
と思っているならば、それは課題です。
……ただし、実際の物事というのは、多くの場合
「やらなければならないこと」
でもあるし、同時に本人にとって
「やりたいこと」
になっていることが多いため、結果的には目標と呼んでも課題と呼んでもどちらでも当てはまるように見える場合が多くなります。
そういうことが多いので、目標と課題の違いが分かりにくいわけです。
目標と課題の関係性
さて、しかしみなさんは一般的なイメージとして
「目標のほうがより大きい概念」
「課題というのはそれより小さい、細かい事柄のことを指す」
……というようなイメージを持っていませんか?
あるいは、目標のほうが上位にあって、その下に細かい課題が出てくるというような感じです。

もちろんこの理解の仕方は別に間違っているというわけでもなくて、捉え方としてはたいていこれで合っています。
ただ、上の説明からすると……なんでこうなるか?
それは、多くの物事について私たちは基本的に
「やりたいこと」
のほうが上位にあって、それに伴って
「やらなければならないこと」
が発生するからなのです。
先に何らか
「やりたいこと」
「実現させたいこと」
「達成したいこと」
が存在します。または発生します。本人の感じ方としてそうなります。
その後で、ではその「やりたいこと」を実際やるためには「何をしなければならないか」という順序で思考するので、多くの場合必然的に



という把握の仕方をするわけです。
本当を言うと、理屈だけで言えばむしろ課題が先にあって、その下に目標があってもたいてい成立するのです
(内容によっては区別されないため) 。
でも、人間のもともとの思考というか気持ちの上では、常に自分がやりたいと思うということ(動機)のほうが外界の都合とか必要性とかよりも上位に来るのが自然なので、必然的にこの図式で考えてしまうことが多いわけです。
課題発見型の思考習慣
現状の中に何か問題点がないか……という視点から発想する傾向が強い人は
「課題発見型」
と言えます。
いわば先に課題を見つけて、それを解決しようという意図を持つことによってそれを目標に転換します。
どちらかというと堅実な、現実的なものの見方や行動を好むタイプの人と言えるでしょう。
一方では、どちらかというと保守的な傾向とも言え、リーダーシップを取ったり、現状をいきなり大きく変えるような発想が苦手だったりするかもしれません。
目標志向型の思考習慣
逆に、
「目標志向型」
のタイプの人は、ある意味現状とまったく無関係に自分思い描いている理想や希望、自分が思い付いたアイディアなどから物事を考え始め、それに現状のほうを合わせるにはどうすればいいかという順序で発想する傾向が強いでしょう。
革新的で、リーダーシップを取るのが好きだったりするかもしれません。
一方で、自分の考えに固執し過ぎて物事がうまく行かなかったり、理想に走り過ぎて周囲の人と調和しにくいという面があります。
……もし、あなたが常にこのどちらかに偏っていると感じるなら、そもそも発想の仕方として大きく2つの型があって、状況によってどちらも当てはめ得るということを心に留めておくと良いかもしれません。