ここでは、目標設定の最も実践的な方法をお話します。

目標を達成できるかどうかは目標設定で8割決まる

目標「設定」の話なので、基本的には

「まだ自分にとっての目標がはっきりしていない」

という状態であることが前提で方法論を述べます。

すでに自分の目標がはっきりしているという方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも目標が達成できるかどうかは

「目標設定の仕方」

によって達成できるかどうかが8割方決まってしまうとも言われていますのでぜひご確認ください。

目標設定の仕方(総論)

まず目標設定についての全体の流れを把握します。

① 思い付きで「やりたいこと」をできるだけ挙げる
② 自分が最終的に何を望んでいるのか(目的)を想像する
③ 「できること型」の目標のみ、実行する順番を決める
④ 足りない部分を考える
⑤ 最初に取り組むべき目標を1つだけ選ぶ

基本的に、次のような順序で考えていきます。

ではまず

① 思い付きで「やりたいこと」をできるだけ挙げる

というところからです。

まずは何の関連性も整合性も考慮しなくていいので、単純にあなたが今やりたいことを羅列してみてください。

と言っても今の時点では

「目標」

と言えるようなきちんとした形のものでなくても構いません。

願望、希望、何となくイメージしている自分の将来像、それに、単なる思い付いた興味や関心……そんなものをどんどん挙げてみましょう。

やろうと思えばすぐできるような、わざわざ目標として挙げるほどのことでもないようなものでも、思い付いたら全部とりあえず挙げてください。

目標の2つのタイプ

実行過程を想定する際には、目標というのは

「できること型」
「できないこと型」

と大きく2つに分類できます。

「できること型」は、すでに具体的なやり方が見えているタイプのもので、偶然的な要素が入る余地も少なく、ほぼ必ず予定した通りの結果になると思えるような目標です。

ただし、これには

「果たしてこれは自分にとって本当にやりたいことと言えるのか?」

とか

「実際やる気が起きるかどうか……」

といったことは含みません。

やるかやらないかは別として、具体的な手順や方法が分かり、仮に自分が想定通りに実行しさえすれば当然そうなるだろうという予測が十分成り立つという意味です。

それに対して 「できないこと型」のほうは、それを実行するために新たなスキルが必要となるものや、ある程度の経験や習熟を要するものが当てはまります。

あるいは、期待した結果を得るためにはたとえば「顧客開拓」や「売上予測」といったような自分にはコントロールできない要素が条件となっているようなタイプのものもあります。

もちろん、今の時点ではほとんど夢みたいなことを挙げる場合もありますよね?

そういう目標を持つこと自体はぜんぜん構わないのですが、そういうものもタイプで言うと

「できないこと型」

のほうに分類されます。

逆に言って、たとえばですが、先ほど挙げた例で「顧客開拓」や「売上予測」といったものは、ごく一般的に言えば不確定な要素と言えますが、 仮にあなたがすでにその業界とか分野において十分な経験やスキルを身に付けているとすれば、だいたいこれくらいは見込めるだろうという予測が成り立つ場合もありますよね?

こういうものは、その人に取って見ればぜんぜん予測不可能なものというわけではないです。

すでにあなたにとっては「偶然的な要素」でないと言えるようなものなら「できること型」に含めて構いません。

では、さきほど①で挙げた「やりたいこと」を

「できること型」
「できないこと型」

……と、2つに分類してください。

これは人によりますが、分類してみると極端にどちらかに偏っていることがあります。

別にそれでも構わないと言えば構わないのですが……もし、何か自分の中で固定観念みたいなものがあって、

「本当は他にもやりたいことがあるのに挙げ切っていない」

とか、

「こういうのは目標と呼ぶべきものではない」

と思って意図的に抜かしている場合も考えられます。

そういう「モレ」がないか少し確かめてみてください。

目的は「おぼろげ」でも良い

では、次に先ほど分類したもの、つまり

「とりあえずの目標候補」

みたいなものですが、それをあらためて眺めてあなた自身が結局のところ

② 自分が最終的に何を望んでいるのか(目的)を想像する

……ということをします。

イメージとしては

「あなたは最終的にどういう状態になりたいのか?」
「どんな人生が良い(満足、幸福、達成感などですね……)と思っているか?」
「生きている間に絶対やってみたいことは何か?」

といったものになるわけですが…… ただし、もしこういう面のことがあまり明確に思い浮かばなかったとしても別にそれはそれで構いません。

むしろ今の時点では

「おぼろげに」

浮かんできたことを何となくイメージできれば十分です。

標準的な自己啓発書などでは、しばしば

「先に最終的な目的を明確化すること」

が推奨されますが、これはもう少し後であらためて考えましょう。

もちろん、すでに明確な「夢」や「価値観」「目的意識」がある人はそれをそのまま当てはめてもいいです。

今の時点で、一応でも良いので自分なりの「目的」を書いておいてください。

各目標の「関連性」を考える

ひとまず自分なりの「目的」を書いたら、今度はそのことと各目標との関連性を見ていきましょう。

ここで私がおすすめしたいのは、とりあえず

「できないこと型」

のほうは、いったん放っておくことです。

「できること型」のほうに分類されたものだけを見ます。

③ 「できること型」の目標のみ、実行する順番を決める

「できること型」の中で自分が書いた「目的」との関連性があるものだけをチェックしてください。いくつあってもいいです。

たとえばそれが3つ挙がったとします。

そうしたら、他のことは置いて、ここでまずその3つを実際に行うことを考えます。

イメージはこんな感じです。

今挙がった3つの目標を、どの順番で実施していくのが一番スムーズ化を考えて実行する順番を決めましょう。

④ 足りない部分を考える

……もちろん、その3つを実行するだけで即あなたが掲げた目的が実現するというわけではありませんよね?

でも少なくともこれだけでも

「行動の道筋」

は見えるようになったのです。

……ただしここで、あなたが選んだ「目標」と、想定した「目的」とが、ぜんぜん何の関連性もないような感じ? になってしまっている場合はおそらくどこかが間違っています。

最初に挙げた「目標らしきもの」のほうが不足しているか、あるいはあなたが頭で考えた「目的らしきもの」のほうが自分自身の本意にぜんぜんあってないかのどちらかです。

その場合はもう一度戻って自分の本意を確かめてみてください。

脳は同時に2つのことを思考できない

人間はもちろん多くのことを総合的に思考できます。

しかしそれは、自分の思考した結果を記憶として保存することができるからです

いったん保存できるので、次に別のことを考えても大丈夫なわけで、人間は

「同じ瞬間に、同時に2つのことを思考できる」

のではありません

これは実際に目標を達成するために行動する段階でけっこう大事なポイントです。

ですから端的に言って、とにかくも

「今、一番に取り組むべき目標」

さえ明確に決定できればそれに基づいて行動することが可能です。

逆に、人間は事実上「目的」というものを完全に明確に決定するのは苦手です

ですから、ほとんどの人にとっては、あらかじめ

「自分の究極的な目的意識」

を自分が納得できる形で完全に掌握してから、それをベースに確実な目標を立てようとしても無理が生じる場合がきわめて多いわけです。

今すぐできることから達成しよう

全体のイメージ感が掴めたら

⑤ 最初に取り組むべき目標を1つだけ選ぶ

またあらためて書こうと思いますが、目標設定の技術も含めてそもそも

「目標を達成する」

という行動自体が一種のスキルとも言えます

それには、自分にとっての目的を明確化することや、それを目標や計画として具体化し、具現化するといった範囲のことも含みます。

あなたが何を望んでいるにしろ、自分が立てた目標を自分が達成する力がなければ、あるいは達成できるという期待値が高くなければ、どんな目的を掲げたところで、仮に夢や理想が見つかったところで……それは

「頭の中だけの、絵に描いた餅」

にすぎません。

そこで、あなたが今真っ先にやるべきことは何かというと

「あなたが最初と位置付けた目標を、まずは是が非でも実行すること

に他なりません。

つまり、今言った目標設定の方法論は直接的には「最初の目標を選択する」ために行ったことなのです。

「行けばわかるさ」

先の景色は、先に言ってみれば今より詳しく、はっきり見えます。

これは自然の理ですね。

たとえば地平線のはるか彼方におぼろげに見える景色を眺めて

「あれは、本当はどんなふうになっているのか?」

……と頭の中で想像していても限度があります。

「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ行けばわかるさ」

―「無常断章」清沢哲夫が原典と思われる

そこで、まずは

「目標達成力」

を高めることが先決です。

一定の目標達成力を前提としなければ、そもそもあなたの「目的意識」も明確化できません。