1 トゥールミンロジックとは
三段論法のように論理チェーンで考えることは、厳密にはアプリオリが存在しない現実の世界では通用しない。
現在、ロジカルシンキングのベースとしてあり得るのは「トゥールミンロジック」である。
トゥールミンロジックとは、
① データ(主張を裏付ける事実)
② ワラント(データがどのように主張を裏付けるかという論拠)
③ クレーム(主張)
の3つで構成される。
トゥールミン(Stephen Toulmin)は、ある主張を論証するためには、それを支えるデータ(data)と、データが主張につながるためのロジックであるワラント(warrant)が必要であるとしました。
日本人であれば、「室温が30度だ」と言われれば、それを聞いた人はすぐに「窓を開けた方がいいですね」というかもしれません。状況説明を聞けばすぐに主張を察してくれる日本文化の美徳です。しかしそこには次のようなロジックが間に挟まっています。
→裏を返すと、日本人は特にワラントを意識的に提示したり強化したりするのが苦手だということになる。よって、ロジカルに考えるという時には特にワラントの部分を意識するのが有効ということになる。
2 知識量が絶対的に必要
抽象的思考は知識量が前提。知識を手に入れるコツは「一気に大量に」。
情報や問題自体が圧倒的な速度で変化している現在、徐々に勉強するスタイルではその変化に追いつけない。
なので実際のところ、読書や情報収集の実践的なポイントは
① ある程度以上のスピードで行う
② ある程度以上の量をこなす
③ 途中でブランクを設けず続ける
④ 先に何らかの仮説やテーマ性を決めてから行う
⑤ 最初に全体像を把握してから詳細に入る
……といったことになる。
3 シリアルな思考をやめる
脳はもともと超並列処理的な機能が備わっている。だが多くの場合学校的な教育や勉強方法によって、シリアルな思考が癖になっている人が少なくない。
並列的な思考のコツは無意識をうまく使うことである。
4 お金を稼ぐことと職業(本来する仕事)は別
お金をゴールにした瞬間、人は自由でなくなる。お金に対する欲を持つこと自体は問題ないが、それがゴールになることがまずい。
なので、お金を稼ぐことは、それはそれとして考え、それとは別に自分が本来やるべき仕事、本来自分はどのような行為や活動を通して社会に貢献できるのか、したいのかを湧けて考える。
