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「体系化する」って何すればいいの?
「体系化」の意味を厳密に、学術的に(?)定義しようとするとけっこう難しい問題になってしまいます。
ところが、そうであるにもかかわらず、実際に会社などで仕事をしていると「体系化」という言葉はけっこうひんぱんに出てきたりします。
実は非常によく使われる言葉です。
ところが、言っているほうも聞いているほうも、その意味をみんな何となくあいまいなイメージでとらえています。体系化の意味を経験上何となくは分かっているけど、あらためてはっきり説明しろと言われると……困ってしまうのです。

初めて聞いたとか、まだ社会人になって間もない人とか、そういう人からすると……
「体系化しろ」
「もっと体系的にしてくれ」
と言われても、いったい何を言われてるのかピンとこないという状況も十分あり得ます。
そこで、たぶん
「体系化とは何か?」
ということを詳しく知ろうと思って本を読んだり、ネットで調べたりしますよね。
でも、おそらく意味だけを説明されても余計になんだか訳分からなくなるのがオチです(笑)
日常使われる「体系化」の意味とは?
まず、日常的に上司などから言われる
「体系的に説明しろ」
というような言い方のとき、それは意味としては
「もっと話を整理しろ」
とか
「要点をはっきりさせろ」
とか言われているのとほぼ同じ意味だと思っておけば大丈夫だと思います。
その上で、ごく単純に言いますけど、体系化というのは一般的な意味としては
「全体をまとめておくこと」
です。
これは厳密な定義とは言えませんが、大丈夫です。だいたい、ほとんどの人はそれくらいのイメージで「体系化」という言葉を使っているだけなので。
全体をまとまりとして見る
……と言っても、それだけじゃ上司に報告とかできないわけです。
なので、全体をまとめるって……要するに何すればいいの? って言うことになると思うんですが、現実的な手順としては、何かを「体系化」したいと思ったときには、要するに次のように考えて行けばいいです。
① すでに持っている知識や、とりあえず今できることを大まかに挙げる
② その一つひとつについて「理由」を考える
③ それらの「理由」どうしの「関係」を考える
④ その全体の「構造」を考える(たとえば、図に書いてみる)
⑤ 構造として見た時に、何か「不足」しているように見えないか考える
⑥ 不足を補う
⑦ その全体をまとめている「テーマ」は何かを考える
……この流れで考えて行けば、だいたいはうまく行きます。
要するに、担当業務とか、特定の課題について体系化しろ、と言われたら、その問題を上の順番で明らかにしつつ、整理してこいと言われているのだと捉えれば良いのです。
① すでに持っている知識や、とりあえず今できることを大まかに挙げる
とりあえず、何であれ体系化したい場合には「すでに分かっている部分」をできるだけ挙げます。
たとえば自分の担当業務を体系化したければ、まず実際に自分がやっている業務の内容、今までやらせてもらった案件でも、雑用でも、一回全部思い出します。
慣れている人ならば最初から階層構造を意識して挙げていっても良いですが、それが難しいと思う問題の場合には、まずは単に思いつくままに羅列するのでも別に大丈夫です。
② その一つひとつについて「理由」を考える
「体系化」について、ひとつのポイントと言えますが、大事なのは「理由」です。
理由というのは、たとえば
「それはなぜ必要なのか?」
「それはなぜ発生するのか?」
「それをやる意味は?」
とか、
「それはなぜそういう方法である必要があるのか?」
「それをやらないと何が起こるか?」
「もしそれをミスったらどうなるか?」
……というようなことです。
こういうのを、先に挙げた事柄の一つひとつについて想像してみます。
通常は別にいちいち書かなくても構いませんが、項目が多い時や、混乱しやすいと思った場合は簡潔にメモっておいたほうが分かりやすいかもしれません。
とにかく、それぞれについて理由を考え直していくのがポイントです。
③ それらの「理由」どうしの「関係」を考える
そうしたら、次に、今挙げたそれぞれの「理由」の間にある、関連性を考えていきます。
「共通するのはどこか?」
「矛盾しているところがないか?」
「いくつかに分類できないか?」
……という感じで眺めていくと、そこに何らかの共通するルールみたいなもの、いわば「法則」みたいなものが見えてくると思います。
かなり大ざっぱな言い方ですが、その、そこに見えてきた「法則」みたいな、何となく一貫したルールみたいに見えてるもの……それが、いわゆる
「構造」
です。だいたいはそう考えておけば合っています。
④ その全体の「構造」を考える(たとえば、図に書いてみる)
ここまで考えてから、それを紙かなんかに書いてみると、ある程度整理された図みたいなものが書けます。それはたいていはツリー図のような形になります。でも別に他の形でも問題はありません。
⑤ 構造として見た時に、何か「不足」していないか考える
ところが、今度はこのように全体の構造を書こうとすると、たいていの場合どこかの部分が抜けているような、足りないような気がしてきます。
やっているうちに思い出すことがある、というのもありますが、そうじゃなくても、たとえば単純に、
「他の項目は3つずつになってるのに、ここだけ1つしかない」
みたいな、いわば見た目からしてちょっと「いびつ」なところが気になったりします。
これがけっこう有効で、こういう、形として見た時に何かが足りない感じがするところは、何かしら思い浮かぶことが多いです。あるいは、もっと適切な分類の仕方に気が付いたりします。
⑥ 不足を補う
もし、不足しているけど知識や情報が不足していると思った場合は、その点を調べたりだれかに相談したりして、埋めます。
もちろん必ずではないですが、しばしば、そこは自分にとって未経験の部分だったり、今まで死角になっていて意識したことがなかった「鍵」になる部分である可能性がけっこう高いです。
極端に言えば、あなたはその部分が見えていなかったので、全体を体系的に捉えることが難しかったのかもしれません。
⑦ その全体をまとめている「テーマ」は何かを考える
で、自分なりに納得のいく形ができたと思ったら、最後にその全体にいわゆる「タイトル」を付けるとしたら何がいいか、と考えてみましょう。
それが、今考えている事柄の全体を表す「テーマ」です。
……これで、いわゆる
「体系化」
ができました。
あとはそれを元にして、あらためて文章化したりプレゼン資料みたいにまとめればいいです。
うまく体系化できない原因は
……ということで、日常的に言われる「体系化」というのは、実はそんなに難しい理論とか概念とかではなくて、たとえばこのような手順で全体を整理してまとめるということを言っているだけです。
ただ、これがうまく行かない場合もあって、それは
① 「体系化」というもの自体に慣れていない
ということ以外に、
② 最初に挙げ得る知識や経験の量が少なすぎる
場合が考えられます。それと、もう一つよくあるのは
③ 完璧主義すぎる
という場合です。短時間で学者や研究家のように緻密に理論を体系化させようとか思うと通常ほぼ不可能です。あとはその反対で
④ めんどくさがり、考えることや試行錯誤が苦手
この場合にはまず「考えること」自体に慣れることが先決です。


