目標と計画についての考え方や、具体的な計画の立て方について

「最良の方法」

と思うことを書きますが、 目標設定の方法や実行計画の立て方については有益な本も多く出ています。

私以外にもそれ専門のコーチングやアドバイザーがたくさんいますし、他にもいろいろ方法論はありますのでひとつの見解としてご覧ください。

目標と計画の違い

で、まず言葉の区別ですが、目標と計画の違いは

目標……行動の到達地点。達成すべき水準=「要素」
計画……あらかじめ考えた方法や順序の内容=「全体」

つまり計画というのは全体像であり、目標のほうがその計画の要素になります。

人によっては「目標」のほうが上位概念で「計画」はそれを具体的にしたもの(下位概念)であるというイメージ感を持っている場合もありますが、私はそれだと実作業する段階でややこしくなってしまうのでこの立場は採りません。

これは単に言葉の使い方の問題にすぎないので「すっきり理解」することさえできれば別にたいして問題ではないですが。

目標の立て方を間違えている人は多い

ここでは上記の言葉遣いを前提に話を進めていきますね。

そこで、あらためて目標設定とか計画の立て方といった部分で引っかかりやすいポイントをおさらいしてみます。

① 夢や願望を、そのまま目標だと考えてしまう

夢や願望、または人生の目的といったものと「目標」というのは別の概念です。何となく同じようなものとイメージしている場合が多いのですが、分けて認識したほうがすっきりします。

② 夢や目的がないと目標は設定できないと思っている

これもよく見られますが、夢とか目的というのは目標を立てるために必須の条件ではありません。

③ 目標は「たった一つ」であると思っている

自分にとって究極、最終的と言えるような唯一の目標だけが目標なのではありません。

目標というのは単純なイメージとしては高速道路に表示されている看板のようなものに過ぎません。

それは要所要所で道順や方向を示しているものであって、あなたの行き先それ自体ではないでしょう。

目標は連鎖しているからこそ方向性が決まる

目標というのは最終的な到達地点ではなく所々に存在するもので、一つだけが単独であってもあまり意味のないものとも言えます。

その一つひとつは「点」のような存在ですが、それらがいくつも連なって配置されることで初めてある方向性が示されます

④ 目標の「タイプ分け」をしていない

目標というのは複数存在して初めて高次の意味を成すのですが、それらには「タイプ分け」があって、私流の解釈ではそれは

「体験目標」「達成目標」「地平目標」

の3つです。

目標のタイプ分けについては下の記事をご覧ください。

計画の立て方

冒頭で「計画」とは全体であると言いましたが、これはもう少し詳しく言うと

「計画とは、連鎖する目標を発見し可視化することである」

というふうに表現できます。

ここでのポイントとして考えられるのは次のような点です。

① 計画に合致した目標を選ぶ

計画の要素となる各目標が、ある一つの方向性を持って連結されるような流れが必要です。

途中で分岐していたとしても特に問題はないですが、他の目標との関連性が希薄で、それだけが単独で宙に浮いているようなものがあれば、それは「その計画」とは無関係な目標とみなすことができます。

② Achievableであること

配置された各目標が「達成可能である」ものでなければなりません。

ということは少なくとも最初のフェーズ(あなたがそもそもまだ目標設定とか、計画、達成といったスキル自体に自信がない段階)では、実際に取り上げるべき目標はそのほとんどが必然的に

「体験目標」

になるでしょう。

また、この時点では必ずしも最終的な目的とか、ゴールまでが包括された完全な計画を立てようとしなくても大丈夫です。

今の段階では、むしろその計画というのは

「行動するために必要」

なもので、完全な計画を最初に作ろうとしてもほぼ確実に修正の必要が生じてくるはずです。

ですから、むしろ具体的な行動から想定して「体験目標」を中心に、行ける所まで行ってみるという感覚のほうがマッチします。

そして、ここまでが済んだら……基本的にはこれ以上考えたり悩んだりしてもあまり効果的ではありません。

それよりも、実際に

「計画を実行する」

ことを優先することです。

③ 可能な所まで行ってから計画を立て直す

最初のうちはあまり考え込むよりは、いわゆる

「PDCAサイクル」

を早く回すことを念頭に置きましょう。

つまり最初に立てた計画はどうせ修正が必要になると決まっている……というくらいの感覚で良いことになります。

そのほうがスピードも効率も上がります。

そして実際に試行してみるのがスキルや細かいテクニックを知る上でも最良の方法です。

特に意識したらよいと思うのは、計画全体の方法論もありますがそれよりも、その要素となる各々の目標に関して

「設定と達成の間にある距離感を知る

ことです。

つまり自分がどれくらい頑張ったらどれくらいの成果が出るのか?

どの程度の難易度だと、どれくらいの時間や手間が必要になるのか?

……といったことを読む力です。

最初のうちは、むしろそのためにやっている、ある意味では練習みたいなものです。

あまり気を散らすことなく、それくらいの気持ちでどんどんトライしていくことを優先しましょう。

そして、自分が立てた計画なのだから、本来いつでも変更できるという「自由」も忘れないでください。

「体験目標→達成目標」へ

以上を踏まえて、しかしいつまでも絶対できそうな目標だけを選んでやっていても

「飛躍的な効果」

は生まれません。この辺りは実戦経験からくるバランス感覚という話にもなりますが、そもそもこのバランス感覚からして一定の経験値による

「設定と達成との間の距離感」

がその基礎と言っていいです。

ただ、最初の段階と違うところは、このレベルではある程度

① ふつうにやったらできないような目標を立てる

ことも必要になります。

つまり「達成目標」を計画に含める段階です。

② 課題を発見する

すると必然ですが、単に自分の「目標」というだけではなくて、その達成のために実行しなければならない

「課題」

にも目を向けなければならないことになります。

足りないものを発見するために

この段階で計画を立てる第一の意義は、見えていない目標や課題を可視化することです

同時に、この先では

「達成可能かどうか分からない目標」

へのアプローチが発生します。

当然ですが、ただ淡々と実行すれば必ずそうなるという結果が見えている場合と違い、それを打開するためには

「発想」

を変えるしかありません。

つまり何らか今の時点では未知である新たな知識や情報、あるいは違う手法、必要ならば新たに獲得すべきスキルなどが存在するということですよね。

それが現時点で見えていないから達成可能かどうかが見えないわけなので。

つまりここでの計画の第二の意義は

③ それを達成可能にするために必要な知識や発想を探す

ということです。まずその必要性を発見することが重要です。

つまり課題というものにはほとんどの場合、今の自分には未知の要素が含まれていて、課題をクリアするためには

「今まで気が付かなかった何か」

が必要なのだという前提で思考する意識が必要です。

ここが大きな目標を達成する技術としてひとつのポイントとなるでしょう。

一般的に、このことを指して

「発想」

と言っているのです。

鍵は目標への距離感

繰り返しますが、上で述べた点はいずれも単に情報を集めたり頭の中だけで思考し続けたりしても堂々巡りするのがオチです。

トライアンドエラーです。PDCAサイクルです。

……つまり、とにかくどんどん実行してみることが優先で、それによって

「うまく行く場合」
「うまく行かない場合」

の両方が経験として蓄積されます。

それが「目標―達成」の距離感を培います。

一回一回の試行は、失敗しても別に大した問題ではないです。

逆に言って、いきなりとんでもない賭けのような大勝負をする必要もありませんよね?

イメージとしては、ここですることは

「水たまりを飛び越える」

くらいのことで、仮に失敗しても足もとが少し濡れるだけのことです。

むしろ豊富な

「目標未達成」

の経験が必須ですし、同時にどこまで無理していいかとか、どの程度の資金を投入するかといった面で

「これくらいは大丈夫」

という感覚を掴むことも重要です。

それが「根拠のある自信」につながります。

最初の目的を思い出す

ところで、以上のようなことをある程度繰り返し積極的に行ったとして、ある程度自信が付いたとします。

その時点で、そもそも思い描いていたはずの

「最初の目的を思い出す」

機会が訪れたのです。

裏返して言えば、そのような意識が自然に芽生える頃……それまでは、多くの人にとって当初の目的意識は「ノイズ」として作用する危険があるので、あまり気を取られないほうが良いのです。

これは、よく言うところのいわゆる

「初心に帰る」

のとは少し違います。

単に最初に戻るわけではありません。

むしろ、今まで述べたような面での自信、実績を得たあなたから見ると、当初思っていた「目的」のイメージそのものに修正を加える必要があることに気が付くでしょう。

たいていの場合そうなります。

これは、自分の持っていた目的をあきらめたとか、妥協するとかいう話ではありません。

むしろ、今のあなたのほうが、最初のあなたと比較して数段

「はっきり見えている」

はずだからです。

つまり、あなたはその時点ですでに以前より、かなりその「目的」に近付いているのです。

最初は途方もない彼方に、いわば地平線のかなたにぼんやりと見えていた景色が、今はもう少しはっきり見えるようになっているということです。

輪郭くらいはね。

とにかく、そうなってみると当然はじめにイメージしていたのが

「いかにぼんやりしていたか」
「どれだけ想像で補正された景色だったか」

ということに気が付くことができます。

だから単に戻るのではなくて、むしろい意識的に捉え直すのです。

目的へ

① 目的を決める(考え直す)

大幅な修正が必要なければそのままでもいいです。考え直すというのは、いわば方向修正、軌道修正のためであって、ここで変に

「人生の意味」
「天から与えられた使命」

とか考えるのは必ずしも必要ではありません。

やりたければ多少やってもいいですけど。必須ではありません。

② 目的に近付く「地平目標」

ちょっと変なネーミングになってしまいましたが……地平目標とは、要するに

今見えている範囲で設定できる限界点」

に位置している目標、というような意味を表現したかったのです。

ですから、これは別にあなたの人生の最終目標でもないし、総決算でもないです。

当たり前ですけど、どこかを目指して旅しているにしろ、そこに着いたら永住しなければならないという法律はありません。

もしその地点に到着すれば、ほぼ必ず、また次の景色が見えてくるだけです

ただそれは、あなたが今立っている地点で見れば「地平」です。それは「終わり」を意味しません。今見える限界点というだけです。

③ 計画に対する「確信」

多くの目標達成技術の本や、成功哲学書などで指摘されているように、目標を達成する時に重要な条件は、

「それを絶対に達成できるという確信」

です。

ところが、この確信というのは単に

「思い込むこと」
「信じ込むこと」

……などではありません。

確信というのはつまり、今まで述べてきたようなすべての条件の「掛け算」です。

公式的に表してみると

「確信=目的×目標設定×達成力×計画の完全性」

といった感じです。

「思考は現実化する」とか言いますが、そこでの「思考」とはおそらく実際にはこの公式に挙げた4つの要素の全体のことを指します

単に思い込むことだけではないのです。

たしかに、自分の心に強く思いを描くことや、それを達成した時の感情や感覚を想像してみること、いわゆるイメージングやアファメーション、あるいは自分の最終的な目標を紙に書いて何度も見ること……これらは実際各論的には有効なものが多いでしょう。

ただし、それは「思考」の一部に影響するだけであって、そもそも上記の確信の要因

「目的×目標設定×達成力×計画の完全性」

のすべてが一定レベル以上でなければ「確信」のレベルも思うように増加しません

最終的な目的の実現に近付くには、地平目標に辿り着く力が必要です。そして地平目標の達成には、あなたの計画全体に関する「確信」が少なくとも閾値を超えなければなりません。

【閾値(いきち、あるいは、しきいち】
① ある反応を起こさせる最低の刺激量。
② 生体の感覚に興奮を生じさせるために必要な刺激の最小値。

ーgoo辞書

それは単に

「必ず実現する」
「絶対実現させてやる」

……と思い込むだけでは到底達しないものです。

それに、

「一発で決めよう」

などと考えないほうがいいです。というか、実行段階ではもちろん一発で決めようと確信できる計画を立てるべきですが、それで

「すべてが終わった」

ってなるわけではないということを覚えておいてください。

目標を達成できたとしても、まだ上手くいかなかったとしても……いずれの場合もどっちみち、

「刃を研ぎ続けなければならない」

のですから。