無限

「定量化する」
「定量的に考える」

というのは、つまり今対象としている事柄や現象を数値で表すということです。

会社の会議などで

「数字で考えろ」
「数字で話せ」

と言われたことはありませんか?

また、たとえば

「数字はビジネスの共通語」

とも言われます。

最新の記事

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

定量化するメリット

定量的に表すことによって、主観の入る余地を減らして、あいまいな議論や思考の遠回りを避けることができます。

特に、他人と意見が異なる場合や、お互いの主観や意向が真っ向から対立している場合などは定性的な議論を続けても埒が明かないという場面があり得ます。

数字はある意味で客観的な根拠と認めやすいものです。

結論を引き出し、時間を短縮し、生産性を向上するために

「数字で話せ」

と言われるのです。

ビジネスで用いる数字

しかし、どうも数字が苦手という人がいます。

ごく単純なものでさえ、数値が出てくるとそれだけで

「うわっめんどくさい!」

と反射的に拒絶反応を示してしまうような人。

「数字なんか見ててもしょうがない」
「数字を見ると頭がくらくらする」

なんて公言してはばからない人も。

しかし、通常仕事でひんぱんに使うのはそれほど難しい数学や論理ではありません。

たとえば「売上」とか「顧客数」とか……あるいは「前年比」とか「成約率」とか。

これらは、表現はとっつきにくいかもしれませんが元をただせば単純な四則計算の域を出ないものです。

極端に言うと、小学校の頃の算数で出てきた「文章題」と同じです。

定量化とは事象を数字に置き換えること

数字に苦手意識がある人だって、本当は別に

「計算ができない」

というわけではないはずです。

……小学校の頃だったらてこずったかもしれませんけど、でも大人になってもまだ

「分数の足し算、引き算ができない」

という人はあまり見かけません。

しかも、今はパソコンがあって、エクセルでもなんでも使える環境にありますよね?

要するに、そういう人は数字の操作や計算が苦手というよりも、たいていの場合

「目の前で起こっている事象や行為を、数字と結び付ける」

というのに慣れていない、というだけなのです。

目の前の事象を数字で表現する

まず一人でも簡単にできることから始めればいいんです。

たとえば、よく

「今日はいつもより忙しかった」
「今日はなんだかヒマだった」

勤務中よくこのような会話をするでしょう。

しかしこのままでは雑談に過ぎず、情報としての価値がありませんね。

こんな時……たとえば

「忙しい」

というのはどういう意味かをちょっと考えてみましょう。

それは

「客数が多かった」

のか

「作業にかかる手数が多かったのか」
「各作業の対応時間が長かった」

のか……それとも

「イレギュラーな業務を言いつけられたので単に精神的にあわただしく感じただけなのか?」

とか。

(言っときますと……本当は「気分的なあわただしさ」だって数値化できるんですよ? やろうと思えば)

逆に「今日ヒマだった」という場合でもですね……。

たとえばあなたは自分が対応したお客様の数が少なかったということをもって「ヒマ」と言っているけれども……周囲の同僚は以前から抱えている難しい案件の対応で時間を取られて、ぜんぜんヒマじゃなかったかもしれないですよ?

日常よくある場面ですが……こういうとき不用意に

「今日ヒマだったね」

とか言ったら相手はカチンとくるかもしれませんよ?

「ヒマなのはお前だけだよ!」

……なんてね。

定量化とは「形容詞」を抜くこと

数字で考えるのが苦手だと感じている人に、ひとりで比較的簡単にできる練習法を挙げておきます。

それは、ふだんの会話の中で……または、ひとりで勝手に思い浮かべている考え、気持ちとかでも同じですけど……そこに出てくる

「形容詞」

に注意することです。

もっと言えば、

「形容詞を一切使わないゲーム」

をやってみてください。

前述の

「忙しい」

というのも形容詞ですよね?

その「忙しい」という言葉を使わないで言ってみるのです。

つまり、忙しいというのは

「客数が多い」

ということだとして、じゃあでも今度は

「多い」

というのも形容詞ですから、それも使わないで言うとすればどうしましょう?

そうすると、定量的に……つまり数字で言うしかないってことに気が付きます。

「今日の客数は100人もいた」

とかね。

でも、単に今日の客数だけ言っても、それが

「多い」

のか

「少ない」

のか、どちらとも言えませんよね?

すると、たとえば昨日の客数とか、あるいは直近一週間の平均客数とかと、とにかく何か

「比較しなければ、多いとも少ないとも言えない」

ということになりますから、必要な数字を拾ってきてですね、たとえば

「今日は直前1週間の平均客数と比べて15人多かった」

とか言えるようになるわけですよね?

……と、ここで終わると結局

「多かった」

って、また形容詞じゃねえか!

……って思いましたか? 思いますよね?

だから

「本日の客数は平均の8%増」

って言えばいいじゃないか!

……ということになります。

もちろん実務上は別に全部の形容詞を排除する必要まではないでしょうが。

でも、厳密に言えばすべての形容詞は何らかの形で「定量的に」言い換えることは可能です。

ゲームとしてやってみるとまあまあ面白いです。

そして、これを少しやってると

「ああ、定量化ってこんなことなのか……」

という実感が持てるのではないでしょうか?

「数字が苦手」

という人は、実は慣れてしまえばどうということはないのに逃げ腰になっているだけなんです。

業務改善の方法として

定量化して考えてみると、たとえば自分の弱点とか、意識していない問題点とかに気が付ける場合があります。

あなたはもちろん今までだって、真剣に一つひとつの業務の完成度を高め、考えられる改善を繰り返し、一定のフォームに収斂してきたと思います。

(そういうことにしておきます。)

別に日々の業務はうまくいっているし、これ以上改善する余地もないだろうと思っているかもしれません。

そこで、いったん全部の業務を「定量化」してみるわけです。

数字に置き換えてみるんです。

たとえば、あなたが一定時間にさばける作業の量や、あなたが詰め込める業務の密度の濃さという視点で自分のやっていることの全体を「量」で捉えてみるんです。

すると、あなたが実際何をどれくらい提供しているか?

他人と比べてどうか?

または、ある面では秀でているのに、別の面では不足しているとか、バランスが悪いとか……そういうことを主観ではなく見直すことができます。

たとえば、現場的に行われる工夫や改善というのはたいてい、一つひとつの作業の効率を上げること、あるいは担当者がより楽に早くできるようにすること、などに重点が置かれていたはずです。

あるいは、一つひとつの内容について熟知すればするほど、そこに「こだわり」が発生するものです。

熟達することは大切ですが、だんだん職人芸に近くなってしまうんです。

それが別の面で良くない影響を与えているかもしれない、といった視点を持つことができます。

「この作業に思いのほか時間を費やしている」
「こんなに出費している意味があるのだろうか?」
「なぜこの部分だけが突出しているのだろう」

というように新たな問題意識が湧き起ってくるでしょう。

それぞれの作業、一つひとつの動きを個別に高めるという発想から、行っている業務全体を俯瞰して新たな発見をするというように発想をシフトするきっかけになります。

個人レベルで言ってもこのような効果がありますし、ひいては部署単位、会社全体としても同じことが言えます。