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FXの「セオリー」を知る意味
何にだっていわゆる「理論」「セオリー」というものがあります。
FXをやり始めれば自然にそういう知識や情報に触れることになりますよね?
前に書いたいわゆる聖杯探しもそうですが……。
一般の株式投資などの場合と違って、FXの場合はほとんどが口座開設から初期の取引開始に至るまで一切がネットのみによって完結します。
また、その過程でおそらくほとんどの人が同時に「FXで○○円達成した」というような成功者が公開しているサイトやSNS、あるいは人気トレーダーのユーチューブチャンネルやなどを見ることによって知識を増やしていきます。
ごく一般的なトレードの注意点やコツやローソク足やチャートの意味、また、たとえば
「エリオット波動」
「ダウ理論」
「移動平均線」
「MACD」
「フィボナッチリトレースメント」
「一目均衡表」
といったテクニカルの手法について知ることになるでしょう。
で、あくまで私の印象にすぎませんが……おそらく、初心者がこうして得ていくはずの知識や情報というのは、個々の些細な点とか優先順位や知る順番といった点で多少の差はあるかもしれませんが、大まかに言うとだいたいその内容は決まっていて、だれもが同じような道を辿ることになっているとみなすこともできます。
そもそもそのように広く一般に受け入れられ、共通認識として成立している部分こそ、いわゆる「セオリー」というものですからね。
ところが、そのセオリーというのをだいたい知ったからといって、それでFXで勝てるようになるかというと……そんなことはありません。
それが一つ大きな問題です。
それどころか、実際多くの人は経験するのは……往々にしてそれら一通りの知識を身に着けたと思ったころからむしろ勝率が下がってくという、一見矛盾するような現象です。
何もかも裏目に出てしまうような気がしてきます。
果ては、自分が「買い」に入った瞬間に相場は下がり、「売り」で入れが相場は上がる……と、逆の意味で自分に合わせて相場が動いているのではないかと疑ってみたくもなります。
……それで多くの人は
「セオリーなんて無意味なんだ」
とか
「一般に公開されていない秘密のセオリーが別に存在するのではないか?」
とか思いこむわけです。
要するに、せっかく一通りのセオリーを学んだその上で、そのセオリーを見下し、捨ててしまうのですね。
セオリーを「逆手に取る」のは当たり前
しかし、これはある意味非常にもったいない話かもしれません。
というか……たとえば麻雀とか、ポーカーなどのカードゲームを想像してみればイメージしやすいかもしれませんが。
たいてい、ある程度ベテランの上級者から見た場合……たぶん
「基本的なセオリーすらまともに知らないズブの素人」
を相手にする場合には……たぶんですけど、
「セオリーに忠実に打つ」
だけでほぼ必勝ということになりますが、今度は
「ある程度セオリーを学んだばかりの、素人に毛の生えたくらいの人」
を相手にする場合、どうすると思いますか?
……たぶん、私だったら
「セオリー通り打ってきたところを狙って、打ち取ります」
よね?
そういう相手に対しては、それが最も効果的な対策になります……悲しいかな。
今はFXの話ではありますが……しかし、どんな世界でも、そういった現象は起こってしまうだろうというのは想像に難くありません。
セオリーを超えて
そもそも論ですが、セオリーというものは、通常どんなゲームやギャンブルにおいても真っ先に知るべき
「論理的、確率的な意味での前提、支柱」
と言えます。
つまり、何であれごく基本的にはセオリー通りにプレイしていれば最も成功率、勝率は高くなるのです。論理的には。
ただし、これはあくまで「理論的には」であって、実はだいたい本当の勝負はそのセオリーを超えた部分での
「心理的な駆け引き」
になります。
つまり、端的に言ってすべての勝負事というのは
「前提としてセオリーを踏まえたもの同士が行う心理戦」
なのです。
FXの場合も例外ではなく、相場そのものはそのようにして出来上がっているはずです。
相場は心理で動くもの
FXのチャートがなぜ、上がったり下がったりするのかを根本的に考えてみると、それは結局のところ実際に相場に介入するいろいろな人の思惑によるものということになります。
ただし、ここで言った「いろいろな人」というのは、はっきり言って全員がプロフェッショナルであり、莫大な資金を任されている「責任ある立場」の人々です。具体的に言うと、たとえば企業や金融機関の資金管理、運用担当者だとか、ファンドのマネージャーといった人たちですね。
要するに、たとえば私たちのように単に自分の資金の範囲内で勝負してる個人トレーダーや、ましてほとんど知識も経験もない初心者とか……そんな人たちではないってことです。
もしかすると
「資金は少ないかもしれないけど、オレだってトレードしてるんだから、ちょっとは相場に影響を与えているんじゃないか?」
とか思う人もいるかもしれませんが……実際そんなことはまったくありません。
何でかっていうと……私たちは外国為替市場で取引しているわけじゃなくて、基本的に外国為替市場で決定された、結果としての「相場の動き」を材料にしてギャンブルしているにすぎないからです。
つまり、これはたとえば競馬の馬券を買うギャンブラーが、実際に馬に乗ってレースしていないのと似ているかもしれません。
あるいは、サッカーくじのtotoを楽しみに勝っているファンが、実際のサッカーの試合に出られないのと同じです。
少なくとも国内のDD方式のFX業者でトレードしている人たちは、事実として相場に参加しているのではなくて、実は
「相場の変動を賭けの対象として使っている」
だけです。
だからそれは厳密に言えば「投資」ではなくて、あくまで「ギャンブル」だと最初から思っておいたほうが良いわけです。
セオリーを熟知している者どうしの駆け引き
で、ここで何が言いたいかというと……そういう前提だから、実際、FXでコンスタントに勝つには、ひとつには
「一般に知られている一通りのセオリーは当然知っておかなければならない」
ということが言えますし、同時に
「セオリーさえ知っていれば、それだけで他人と比較して有利だというわけでもない」
ということも言えると思うわけです。
それは、そもそも為替相場というもの自体が、基本的なセオリーを熟知している者どうしの駆け引きによって変動しているものだからです。
私たちは初心者の頃は単にセオリーを知ることが嬉しかったり、それさえ熟知すれば勝てるようになると期待したりしていることが多いですが……それは幻想だということです。
そして、そうかと言ってセオリーを学ぶことに意味がないと考えるのも間違っているわけで……ある意味、セオリーを知らないければ
「戦わずして負けている」
と言っても過言ではないのです。