面接

自分の長所短所が分からない。
自分には長所なんてない。

堂々と他人に説明できる「自分の強み」がない。

……という悩みを持っている人は多いでしょう。

私は、小学生の頃

「自分の長所」

について作文を書けと言われて、大変苦労した記憶があります。

もしかすると、みなさんもそうだったのではないでしょうか?

しかし、就職や転職、または学生時代のアルバイトの面接などでもそうですが、どうしても自分の長所短所を自己分析したり、他人に話したりしなければならない機会が出てきます。

ここでは、面接のときに自分の長所、短所をどのように表現したらよいか? ……というような技術的なことは書きません。

ただ、

「多くの人が、自分の長所短所を明確に自覚できないのはなぜか?」
「ではどうすれば自分の長所、短所を明確に判断することができるか?」

について、その基本的な考え方を書いておこうと思います。

他人と比較すると分からなくなる?

「自分の長所」という作文を書けと言われたとき、私は子供心にこう思いました。

「自分には、取り立てて自慢できるほど抜きん出た長所などない」

……と。

確かに私は内心では、自分でも(周囲の友達よりは)比較的勉強はできるほうだ……とか思っていました。

特に、国語についてはいつも先生に褒められるので、自分ではかなり優秀なのだと自負していたと思います。

でも……それはあくまで周囲の友達との比較レベル。

別に、全国1位とかではない。

あるいは、仮に全国で上位だったとしても……所詮小学生のレベル。

あるいは、私は小学校の頃はけっこう「ひょうきん者」で、おしゃべりが止まらないタイプの子供でしたから、たとえば

「人前で自分の意見を言う」

とか、

「面白いことをして、みんなを笑わせる」

とか、そういう面では少し自信があったと思います。

でも、それは自分が思っているだけのこと。

あるいは、確かにクラスの友達や、身近な人の中ではそう思われているかもしれないけれど……それが、実際に世の中でどの程度のレベルなのか、そんなことは分からない

というより、そんなこと考えたこともない。

……だとすると、自分が胸を張って

「これこそ自分の長所だ!」

と言えるようなことって、ほとんどないような感覚を持ちました。

むしろ、自分の長所って言われて、周りの友達はいったい何と書くのだろうと、近くの席の子の様子をきょろきょろ見回していました。

後ろの女の子が、すました顔でスラスラ作文を書いている様子を見て(何を書いているかまでは見えませんでしたが)

「こいつ、自分で自分の長所なんて……よくスラスラ書けるよな」

と、少し嘲笑混じりに見ていました。

そもそも私は

「だれもが認めるような、明確に平均をはるかに超えたような能力や特技」

でなければ長所とは呼べないんじゃないか……というように思い込んでいたのです。

むしろ、周囲の人から見て、または、実際に他人と比較して、別にそれほどでもないようなことを、臆面もなく自分の長所だと書いてしまうのは、とても恥ずかしいことなのではないか?

……そんなふうに感じて、長い時間何も書けずにいたのです。

謙虚さと凡庸さ、それに客観性?

子供時代だけでなく、私はけっこう大人になっても、本音ではこんなふうに感じていたように思います。

「そもそも凡人に取り立てて長所なんて、あるわけないだろ?」

みたいな。

あるいは、みんなが就職活動なんかを始める時期になると、それなりに自分の適性や、強み弱みの分析などをする……そんな時も

「自分を売り込むために、長所だとか強みだとか……なんだかなあ」

みたいな。

このように、自分の長所が見つからない大きな理由のひとつは、他人と比べてしまうからです

あるいは、他人から見ても明らかに長所だと認められるようなものしか、長所とは呼べないというふうに思い込んでいることです。

すると、自分の長所というのはほとんど挙げることができなくなってしまいます。

長所短所は反転する

次に、自分の性格や行動の傾向などがある程度自覚できているとして、でも、それが

「ある場合には長所ともなり得るし、他の場合には短所ともなり得る」

と考えてしまうと、何をもって長所短所と言うのかが分からなくなってしまいますよね?

「神経質」と言えば短所でも、「几帳面」と言えば長所だし。
「心配性」と言えば短所でも、「思慮深い」と言えば長所とも言える。

「話下手」は短所、けれどそういう人はたいてい「聞き上手」
「社交的でない」のは短所に見えるが「特定の人と深く付き合う」傾向があります。これは長所とも言える。

「マイペース」は長所か? 短所か?

……歳を取れば取るほど、人間の性格や個性というのが、どれも単純に長所短所と割り切れるものではないことが分かってくる。

しかしこれでは、自分で何が長所で、何が短所なのかをはっきり決めることができません。

確かに、他人に言うときには自分に都合が良いように言えばいい。あるいは、当たり障りない言い方をすればいい。

でもそれは一種の処世術でしかなくて、自分が本音で納得できるかどうか……という意味では、かなり頼りないですよね。

あなたの「目的」に照らして考えれば、すっきりする

さて、ではどう考えたら良いか。

私は、

「あなたがこれから何をやろうとしているのか?」

を先に明確にすることが大切だと考えます。

長所短所、あるいは強み弱みというのは、もちろん状況によって変わってくるものですし、人それぞれの見方によってもさまざまに捉えることができます。

というか、一般論として見る限り、そういうものでしかあり得ないわけです。

しかし、たとえば、あなたがこれから何か具体的な行動をしなければならないとしますよね?

あるいは、何か特に自分が設定した「目標」に向かって、それを達成したいといった状況だったとします。

そして、その手段、方法、具体的に何をどうしたらそれが可能なのかということが、すでに見えているとします。

するとどうでしょう。

もしそれを基準に考えるならば、

今のあなたにとっての長所とは、

「それを行うために使えること」

のことです。

あなたの強みとは、そこでは

「それを行うのに利用できるあなたの能力、資質」

のことです。

逆に、今のあなたにとっての、あなたの短所とは

「それを行うにあたって不足している部分」

のことでしょう。

あなたの弱みは

「それを行う際に、他の何かによって補わなければならない部分」

のことです。

たとえば、あなたが将来大きな成功を夢見ているとします。

すると、あなたが成功を収めることを目的とした場合、長所というのは

「成功する過程で役に立つと思われる自分の能力や個性」

のことを指すのであり、短所とは

「あなたが成功する過程で障害となり得る自分の傾向」

のことを指すわけです。

目的意識を持つ意味(目標設定との違い)

就職や転職の際も、同様に考えることができます。

面接で問われるあなたの長所というのは、端的に言って

「あなたがここで仕事をする場合に、今持っているものの中でそのまま使えそうなものは、何ですか?」

と問われているのに等しい。

短所とは、はっきり言えば

「あなたがウチの会社で働くときに、ネックになりそうなことは何? そして、あなたはそれをどうやってカバーしようと思ってるの?」

と聞かれているわけです。