座標・関数・グラフ

平面的思考の典型であり、広く一般的に受け入れられているのが

「座標」

です。

座標とは最も一般的にいえば、「X軸」と「Y軸」というような垂直に交わる2つの直線によってあるパラメータを表して、それを基準に平面上の各点を定量的に位置付ける概念と言えます。

座標として扱われる平面では何を表すにせよ存在する各点がすでに定量的な意味を持たされています。

だから前提的にMECE的になります。

関数とは

次に

「関数」

とは英語で言えばファンクション(Function)です。Functionはふつうに訳すと「機能」という意味ですね。

関数が設定できるということは、ひとつのパラメータがある値をとったときに、もうひとつのパラメータが自動的に決定されるような機能が存在しているということを意味します。

ところであらかじめその機能のほうが明確に示されている場合、それはいわゆる

「法則」

と呼ぶこともできます。

関数とは法則の「機能の仕方」を数学的に示したものだと言ってもいいですね。

けれども……現実に起こる物事というのはたいてい理論上の「機能の仕方」がそれほど単純には見出せなかったりします。あっても気が付かなかったりします。

むしろたいてい、各パラメータの動きは観察や推測によって帰納的に理解されます

【帰納】
個々の具体的な事例から一般に通用するような原理・法則などを導き出すこと。⇔演繹 (えんえき) 

―goo辞書

そして結果的にある必然性が発見された場合に、初めて法則としての地位を得る……というような流れを辿ります。

グラフとは

法則性があらかじめ規定されていないとき、単に観察の結果を座標的に表したものを私たちは

「グラフ」

と呼びます。

つまりグラフからある傾向を読み取ることは平面的思考の典型例と言えます。

グラフは座標上に現れたいくつかの断続的な観察値から次の展開を予測したり、その根底にある法則性を発見したり証明したりするのに役立ちます。

たとえば、折れ線グラフは最も一般的なグラフの形態です。その時に、観測したデータというのは座標上の各「点」で表されますが、それを線で結ぶという行為はすでに観測値の間に何らか関連性を見出そうとする行為そのものだと言えます。

純粋にデータに忠実な折れ線グラフもありますが、私たちがよくやるのは各データの散らばり具合を誤差とみなしてかなり強引に線を引っ張ることです。

そして、それを根拠としてたとえば

「比例関係にある」

とか

「放物線を描いている」

とか……いわばかなり恣意的に法則性や偏りを見出そうとすることもしばしばあります。

通常グラフといったものはデータを根拠としているから限りなく実像に近いと思いがちなのですが、実はそこには一定の蓋然性はあるかもしれないけど同時に観測者の推測や、既存の知識の「当てはめ」が存在していることも少なくないのです。

座標的フレームワーク

グラフや関数に代表されるような通常の座標というのは平面内の各点を特定の値に網羅的に対応させます

けれども、そこまで数値的な厳密さを伴わない、ごく概念的なパラメータの方向性や大まかな区別だけを示してそれを思考のフレームとして用いることがあります。

たとえば、平面を2つの軸によって区切られた「2×2」の領域(象限)として用いる考え方はごく一般的に利用されています。

実はこれは「座標」というよりどちらかというと2列2段の構造を持つ単なる表に近いわけですが、思考するには便利なものです。

座標的フレームの中に何らかの対象を落とし込むとそれは少なくとも何某か規則性や志向性があるもののように感じますよね?

たとえば経営理論としてよく紹介されるSWOT分析というのがあります。

この場合ひとつの軸を

「内部環境」

もうひとつの軸を

「外部環境」

とする「2×2」の領域を想定します。

その枠でそれぞれの優位性(強いか弱いか)を概念的なパラメータとして、自社の攻めと守りとか優先順位とかを考えたりします。

また、PPMと呼ばれるフレームワークも有名です。

この場合は2つの軸は

「市場成長率」
「マーケットシェア」

となります。それによって区分される各領域には特徴的な呼び名が当てられていて

「花形」
「金のなる木」
「問題児」
「負け犬」

という枠で事業内容を俯瞰したりします。

これらのフレームワークは、厳密な数値データを扱おうとしているのではなくて実際には4つの領域を区分することで問題をごく大まかに整理したいときに用います。

つまりデータの表示というよりも平面的思考の道具として利用する面が大きいわけです。