「雑用は好きですか?」
こう聞かれて、
「はい、好きです!」
……と答える人はどれくらいいるのでしょうか?
意外かもしれませんけど、実は意外にいます。
特に、女性のほうが多いような気がしますが、ふつうなら多くの人が嫌がるようなこまごました作業、それも、それをやったからと言って別段だれからも評価もされず、注目されることもないようなこと……。
「でも、割とそういうの、好きです」
という人は確かにけっこういます。
このように、確かに雑用が好きな人はけっこういますが、
「雑用ができる人」
というのは非常に少ない。
「雑用ができる」とは?
雑用ができる人……というのは端的に言うと、雑用をまるで雑用ではないかのようにできる人のことです。
質問を変えてみます。
「あなたは、どんな雑用でもひとつひとつ大事に考えて、全力で結果を出そうとしてきましたか?」
と尋ねたなら、どう答えますか?
たぶん、自信を持って
「はい」
と言える人は少ないでしょう。
雑用の完成度を追究する
あなたがどこで働いているとしても、どんな仕事をしているとしても、初期の段階で与えられる仕事は大部分が「雑用」です。
多くの人はそれを、たいしたことではないと安易に考えていい加減に行います。
しかし、雑用が立派にこなせない人は、大きな仕事も絶対できません。
もっと言えば、雑用をおろそかにする人には、だれも大きな仕事を任せたくありません。
なぜかというと、いわゆる雑用をしているときも、重要な仕事をしているときもその人の傾向はだいたい同じだからです。
むしろ、一見だれでもできそうなことで、だれがやってもあまり結果に影響が出ないと思われがちな作業には、その人の仕事の進め方のクセや、仕事に対する姿勢や態度がはっきり表れます。
たいてい、あなたに雑用を指示した側の人は、そこを見ているのです。
ですから、一見かんたんに思われることほど、細心の注意を払って責任を持ってきちんと行うべきなのです。
仕事に対する不平不満
よく
「俺はこんなことをするためにここにいるのではない」
「こんな仕事では私の力は発揮できない」
というような不平不満を言う人がいます。
「チャンスさえ与えてくれたら」
「ちゃんと自分を見てくれたら」
というようなセリフもよく聞きます。
いつまでも同じように雑用ばかり回されて嫌気がさしている人……そのような人は、おそらく上司や同僚からすれば、ほとんど期待できない人だと思われているのです。
つまり、はっきり言えば
「見込みがない」
と思われている。
なぜかというと、
「雑用すらきちんとできない」
からです。
そんな人に、責任や影響の大きい仕事を任せるのは危険だからです。
雑用を与えられて不満を抱く人というのは、仮に責任ある大きな仕事を任されても、
「できない理由を並べて言い訳ばかりし」
「自分の力不足を認めず」
「何か起こってもその人自身はその責任を取ることもなく」
「失敗を次に活かす姿勢もない」
からです。